離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

二時間ほどで須藤の実家を辞すと、買い物をしてから帰宅した。

すっかり日が暮れて暗くなったため人通りの多い道を選んだが、未依が夜に出歩くのを律はかなり心配しているようで、防犯ブザーを渡されている。

心配させてしまっているのは心苦しいけれど、お守りにしている防犯ブザーが視界に入るたびに、律に守られている気がして安心できた。

律と気持ちを通じ合わせて五日ほど。相変わらず彼は忙しい。そもそも脳外科医はオンコールや時間外対応が多い診療科のため、プライベートが犠牲になりがちだと聞く。

それでも律が未依との時間を大切にしようとしてくれていることは伝わってくるし、未依もそんな彼を支えたくて、仕事の傍ら料理の腕を磨いている最中だ。

病院の食堂で栄養バランスのとれた食事ができるとはいえ、脳外科医である律が食堂に行く時間を確保できるとは限らない。

彼に尋ねると、案の定時間がない時は医局でカップラーメンやコンビニのおにぎりを食べていると言っていた。これだけ忙しいのに偏った食生活を続けていては、いつか身体を壊してしまう。

それならばと、未依は彼のためにお弁当作りを始めた。

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