離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
(ダメだ。なにも聞いてないのに、悪い方にばっかり考えてる。実際に自分で見たわけじゃないんだから、気にしない。それとなく律くんに聞いてみよう)
すべて未依の想像にすぎないのに、勝手に傷つくなんて馬鹿げている。
「これが、幸せすぎて怖いっていうやつなのかな。贅沢な悩みだね」
未依は沈みそうになる気持ちを敢えて茶化すことで立て直し、お弁当を受付の男性に預け、その場をあとにした。
その三日後。相変わらず未依は律のためにお弁当を作り、彼も毎回律儀にお礼を伝えてくれる。
時間が合えば一緒にベッドに入って愛し合い、勤務がすれ違っても互いの体温を感じて眠る日々。
約五年もの間、ほとんど実態のない夫婦関係だったにもかかわらず、帰国した律から想いを伝えられて以降、ふたりの関係性は驚くほど変化した。
未依は、昨晩何度も愛された気怠さを纏ったまま、目の前で小さく寝息を立てている律の寝顔をじっと見つめる。