離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

そうして朝の身支度を済ませ、ふたりで朝食を摂り、お弁当を渡して一緒に出勤する。

例の女性が来た日以降も、律の態度は一切変わらない。相変わらず未依に甘く、言葉でも態度でも気持ちを伝えてくれている。

(今夜こそ、律くんが帰ってきたら話を聞いてみよう)

ケイトとは本当に単なる友人にすぎないという可能性もある。

そもそも、アメリカにいた頃はすでに未依と入籍していたのだ。いくらまだ気持ちを通わせていなかったとはいえ、真面目で誠実な律が、未依という妻がいるのに他の女性と付き合うなんてありえないはずだ。

「今日はオペの予定もないし、急患がない限り比較的早く帰れると思う」

職員通用口でIDカードをかざしながら、律が言う。

「わかった。夕飯、リクエストはある?」
「未依」
「……っそ、それ以外で!」

職員通用口でなんてことを言うのか。未依がじろりと律を睨むと、彼は院内ではめったに見せない顔で笑った。

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