離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

その様子を、出勤してきた職員たちが驚いた表情で凝視している。ポーカーフェイスのイメージが強いため、きっとこんな笑顔を見たのが初めてだったのだろう。慌てて周囲を見回し、若い女性がいなくてよかったと思ってしまうのは心が狭いだろうか。

「じゃあ、寒くなってきたし温まるものがいいな」
「それならシチューはどう?」
「いいな。それを楽しみに今日も働くか」

院内に入ると、律は未依の夫の顔から脳外科医の顔に切り替わる。

その瞬間の彼はゾクリとするほど真剣な眼差しで前を見据えていて、彼の仕事に対する情熱や誇りが感じられる。

(シチューを食べながら、今度こそケイトさんについて聞いてみよう)

決意を胸に、未依も律と同様に気持ちを仕事へと切り替えて職場の更衣室へ向かった。


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