離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
「さ、そろそろ帰らないと。これからシチュー作って旦那さんを待ってないといけないんだもんね」
「えっ?」
未依は目を見開いて驚いた。
「なっ、なんで……」
「ふふっ。朝から職員通用口でイチャついてたって同期から聞いたの。いいなぁ、イケメンドクターの旦那さん」
「あの、黙っててごめんなさい。色々事情があって、結婚してること自体を誰にも伝えてなくて……」
世話になっているあかりには、きちんと自分の口から説明したかった。可愛がっている後輩の話を、本人からではなく噂で知るなんて、いい気分じゃないに違いない。
いつか落ち着いたら話すと伝えていたけれど、あれよあれよと離婚の話がなくなり、想いが通じ合い、バタバタと引っ越したところにモデル美女の噂話が持ち込まれ、一向に約束を果たせていないままだ。
申し訳なさに肩を落とす未依に、あかりは慌ててフォローする。
「あぁ、ごめんね。責めてるわけじゃないよ! 最近の神崎さん、すごく生き生きしてるし幸せそうだったから、ついからかっちゃった」
「香坂先輩……」
「今度、夜勤明けの日がかぶる時にでも飲みに行こうよ」
「はい、ぜひ! たくさん話したいことあるので、全部聞いてくださいね」