離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
未依は「お疲れ様です」と、あかりや周囲に挨拶をしてスタッフステーションをあとにする。
そのままバックヤードへ入ろうとしたところに、カツカツとヒールの音が響いた。
面会に来た患者の家族だろうかと見てみると、長身の外国人の女性がキョロキョロしながら足早に歩いている。
身体のラインを拾うコンパクトなニットのトップスに、細くて引き締まった脚やお尻を強調するようなスキニーデニムを合わせたシンプルなコーディネートは、抜群のプロポーションを引き立てている。
ふんわりと巻かれたブロンドヘアが背中で揺れており、彼女が歩いた場所からは病院にそぐわぬバラの香りが鼻をついた。
(もしかして、ケイト・デイビスさん……?)
後ろ姿を見ただけだけれど、未依の直感が、律と修羅場を演じたという女性は彼女だと告げている。
そしてそれは、すぐに証明されることとなった。
『律! やっと見つけたわ!』
奥のエレベーターから降りてきた律を見つけた瞬間、ケイトは彼に向かって走り寄ると、腕を伸ばして抱きついた。