Existence *

罪悪感と闇

真っ暗闇を照らす様に所々にある街灯。

外に出て空を見上げて深く深呼吸をした。


そのままスマホを取り出して電話帳を開き、すぐに俺の手が止まる。


「あ、そか…」


小さく呟き、またため息が零れる。

このムシャクシャする勢いのままリアに会おうと思っていた。

だけどスマホの番号を新しくし、全ての番号をリセットした事を思い出し、そのままポケットに押し込んだ。


会うにも会えねぇってことか。

酒を飲んだせいで車にも乗れず、俺は暗闇を歩く。


「返すんじゃなかったな」


蓮斗の事務所の鍵を返してた事に今更ながらに後悔をする。

だからと言って、今から電話して鍵を取りに行こうってのも全くなかったし、自分のマンションに戻る気もなかった。


そして結局たどり着いたのはよく来ていたBar。

そう、リアと会った場所。

もしかしたらアイツは現れるんじゃないかって思った。


もうすぐで夜中の3時になろうとする時間。

こんな時間にも係わらず人は多い。


カウンターの一番端に座り、すぐにタバコに火を点けた。


「翔さん、どうしたんすか?」


目の前に現れた旭が不思議そうに俺に視線を送る。


「何が?」

「こんな時間に来んの現役以来じゃないっすか」

「そうだなー…」


小さく呟きながらタバコの煙を深く吐き出した。

帰るとこねぇから。なんて言葉は飲み込んで、俯きながら灰皿にタバコの灰を落とす。


「何飲みます?」

「なんでもいい」

「マッカランでもいいっすか?」

「いいよ」

「でも、大丈夫っすかぁ?」

「なにが?」

「体調っすよ」

「心配ねぇよ。…むしろ別の意味で悪いわ」

「…え?」

「いや、なんもねぇ」


小さく呟く俺に旭は背を向けて奥へと入り込んでいく。

ほんと別の意味で調子が悪い。

美咲が吐き出した全ての言葉がやけにしんどい。
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