Existence *
数日も経てば俺のこの今の現状が周りに知れ渡るのが早かった。

誰かが誰かに告げ、そしてその誰かが誰かに告げる。

あの5年前の様に、俺が入院していることがあまりにも早く知れ渡っていた。

蒼真さん、昔のホスト仲間。

トビの知り合い、仕事関係者。


次々に顔を出してくれる仲間に、ほんと知れ渡んの早ぇなって思ったくらい。

その知れ渡る速さは昔と変わらなかった。


「…お前、元気?」


そう言って入ってきたのはルキアさんだった。


「あー…久しぶりっすね」

「久しぶりがこの病院かよ。つかお前、何してんねん。酒で入院ってアカンやん」

「別にしたくてしてるんじゃないんすけどね」

「Barが完成したからお前に連絡しよう思てたらさ、流星が入院しとるっつーから、は?ってなって」

「あー…もう完成したんすね」

「そうそう3日前くらいに」

「また行きますわ」

「おぉ、また来て。で、お前なんで入院するまで飲んでんねん。夜の仕事してへんのに」

「それ、まじでみんな聞くんすよねぇ…」


ため息交じりに呟いて、また深いため息を吐き出す。


「いや、普通に聞くやろ。入院するまで飲むって尋常じゃないやろ」

「そうっすね」

「5年前は現役やったけど今はちゃうやん」

「まぁ…」

「あー…なに?聞くところによるとリアも絡んで女と喧嘩中ってか?」


面白そうにクスクス笑うルキアさんに視線を送る。


「また流星っすか?」

「流星しかおらんやろ」

「アイツの話は真に受けんでいいっすよ」

「いやぁ、アイツはガチな事しか言わへん。こればかりは仕方ねぇって、お前が男前やから」

「どういう事?」

「ちょお、一回代わってーや。お前になってみたいわ」

「意味分かんねぇっす」


ため息交じりに呟く俺にケラケラ笑うルキアさんの声。

その声と混じって、コンコンと響くドアの音。


「失礼しまーす」


その声で俺とルキアさんの視線がそっちに向いた。
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