Existence *
「…はい」

「翔さん、今いいっすか?」

「あぁ。どした?」

「ちょっと相談事」

「なんの?」

「会ってから聞いてほしいんすけど、今日無理っすか?夜休みなんで」

「あー、ええよ」

「いつも行ってた居酒屋でいいっすか?」

「あー…悪い。繁華街やめて。俺の駅の居酒屋にしてくんね?」

「わかりました」


彩斗の電話を切った後、一息吐く。

つか相談事ってなんだよってな話で。

その相談事が俺の話であると、まためんどくさい。

流星から何か言われたんだろうか。

なんて思いながら仕事を終え、一旦風呂に入ってからその場所へと足を運ばせた。


「…楓さん、久しぶりっすね」


着いた瞬間に声を掛けてきたのは(しゅう)だった。

その愁の真ん前で「お疲れっす」彩斗は頬を緩めた。


「お疲れ。つか悪いな、ここまで足運ばせて」

「いや、いいっすよ。繁華街じゃ声かけられますもんね」

「まぁな。つか、なに?」


そう言いながら彩斗の隣に腰を下ろし、店員にビールを頼む。


「楓さん元気にしてたんすか?」


愁は俺を見て口角を上げた。


「今んところ元気」

「今んところって、なんすか?」


笑いながら愁は半分になっているビールを口に含んだ。


「つか、なに?相談って誰の?」


愁と彩斗に視線を送り、運ばれてきたビールに口を含む。


「俺っす。って言っても相談って程でもねぇけど…」

「はい?なにそれ。てか彩斗かと思ったわ」

「俺はただの付き添い」

「それいる?」


苦笑いしながら隣の彩斗に視線を送ると彩斗はクスクス笑みを浮かべた。

彩斗とは約9年くらい一緒に働いてきて、愁とは2年くらい。

丁度、俺が入院してその復帰後に入ってきた今22歳の男。


彩斗はたまに顔合わせてたけど、愁とは辞めてから初めて会う。


あれから半年が経つ。
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