君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
花火が終わった。

夜も遅くなったので、小林さんを送っていく。

小林さんがゆっくり歩き、俺はその後ろをほんの少し離れてついて歩く。
時折振り返って後ろ向きに歩く彼女に危ないから前を向けと顔をしかめる。
本当はこちらを向けてくれる笑顔が眩しくて、嬉しかった。しかし、彼女に惹かれている自分に気付かれるわけにはいかないと誤魔化していた。


もう少しだけ。
こうやって彼女と一緒にいたい。


教師が生徒に覚える感情じゃない。
ちょうど夏休みだ。

小林さんとの接点がなくなれば、きっと落ち着く感情だ。


「ねえ!聞いてる、先生?」
「聞いてるよ」
彼女の問いかけに笑顔で答えた。

俺は大人だ。
ちゃんとストップさせなくては・・・。


  


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