君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
泣き止んだ小林は照れ臭そうに笑って、
「なんだか先生には自分の弱いとこばっかり見られてる気がする」
「それは嬉しいかもしれないな」

「嬉しい?」
「俺は小林にとって弱い自分を見せられる存在だってことだろう?」

「・・・えっと・・・う、うん」
目を逸らして俯く小林に心を奪われる。

ポンポンと頭を撫で、
「さ、続きやるぞ」
「あ。はい!」

再びノートに向かう小林のつむじを見つめては、沸いてくる邪な思いを追い払うべく、隣のベッドで楽し気な笑い声をあげる子供の声に耳を傾けた。

「こんにちはー。お世話になります」
「こんちはー」
「あら、どうもぉ」

隣を声を聞いて誰かが病室に来たことを知る。

シャーッ。
「那奈、調子はどぉお?」
半分だけ閉じていたカーテンが全て開かれて、その向こうから女性が入って来た。

「お、お母さん!?」

まさかの母親登場!?

「ねーちゃーん」
母親の後ろからすらっとした男の子が顔を覗かした。

弟も登場だ!

「ええ!!??姉ちゃんが男連れ込んでる!!」
「はあっ!!??ち、違うしッ!!!」

小林が上擦った声をあげた。


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