花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 こんな透明な海の色を見ていると戦争などばからしくなってくる。国の偉いひとたちもそう思えたらいいのに。ちょっと海を見に行きませんかなどと言って一緒に笑いあえる、そんな世界が生まれるといいのに。

 一方現実世界での人間たちはそんな余裕などなく、手の中のスマートフォンに夢中でその世界に没頭し続ける。時々、スマホ歩きをしているひとを見るとふと、このひとはスマートフォンに全脳細胞を支配されているのではないか? と思えることがある。そのくらいにみな、のめりこんでいる。そことは距離を置くようにしている。友達からSNSを開設しましたと言われても見逃す程度には。

 手紙。恋生は恋乃にどんな手紙を送ったのだろう。禅雨という偽りの名前を使って。

 池水恋乃と実際会ってみて、彼女は恋生の双子のきょうだいだと確信した。

 恋生が意図的に残したであろう、棚にあったスクラップ記事によると、恋乃は京都で生まれ育っている。ならば、双子の片方が両親のもとで育ち、一方の恋乃は、親戚の方に引き取られたということだ。
< 121 / 259 >

この作品をシェア

pagetop