花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
*
大人たちは海岸でバーベキューをしており、思い思いに楽しんで、肉を焼いて食べて、とても、宗教の合宿とは思えない。
僕らも好き放題にさせていただいている。海に入って、他の子どもたちとたわむれたり。スイカのかたちのビーチボールで遊んで。
それを追いかけて泳いでいたらいつの間にか沖に出ていた。
ひやりとした。
足がつかない場所が僕は苦手で、足が浮いたままでどう泳いだらいいか分からなかったからだ。
大人たちに必死に手を振って助けを求めていたつもりだった。
子どもたちはいつの間に始めた鬼ごっこに夢中で僕には気づかない。――死。
向こうからどんどん波がやってきて僕の口に入り、僕は息が出来なくなる。必死にあがいた。波をかき分けて、すこしでも陸に近付こうとした。だが駄目だった。
あがいてあがいて。いくらかき分けても無情にも波がこちらに迫り続けていて。死。死を身近に感じたのはこれが初めてだった。この後恋乃が事故に遭ったと聞いたときよりもショックを受けた。
いくら泳いでも届かない。いままで起きたすべてが突然走馬灯のように流れた。五歳の記憶。おもちゃを買って貰った。すぐに壊して、神宮寺家の者がそんなことをするものではありません、と母に窘められたこと。
物置に隠されたアルバムで自分の半身である恋乃を見つけたこと。
初めて女の子に手紙を書いたときのこと。返事の手紙が返ってきたときには飛び上がって喜んだ。
大人たちは海岸でバーベキューをしており、思い思いに楽しんで、肉を焼いて食べて、とても、宗教の合宿とは思えない。
僕らも好き放題にさせていただいている。海に入って、他の子どもたちとたわむれたり。スイカのかたちのビーチボールで遊んで。
それを追いかけて泳いでいたらいつの間にか沖に出ていた。
ひやりとした。
足がつかない場所が僕は苦手で、足が浮いたままでどう泳いだらいいか分からなかったからだ。
大人たちに必死に手を振って助けを求めていたつもりだった。
子どもたちはいつの間に始めた鬼ごっこに夢中で僕には気づかない。――死。
向こうからどんどん波がやってきて僕の口に入り、僕は息が出来なくなる。必死にあがいた。波をかき分けて、すこしでも陸に近付こうとした。だが駄目だった。
あがいてあがいて。いくらかき分けても無情にも波がこちらに迫り続けていて。死。死を身近に感じたのはこれが初めてだった。この後恋乃が事故に遭ったと聞いたときよりもショックを受けた。
いくら泳いでも届かない。いままで起きたすべてが突然走馬灯のように流れた。五歳の記憶。おもちゃを買って貰った。すぐに壊して、神宮寺家の者がそんなことをするものではありません、と母に窘められたこと。
物置に隠されたアルバムで自分の半身である恋乃を見つけたこと。
初めて女の子に手紙を書いたときのこと。返事の手紙が返ってきたときには飛び上がって喜んだ。