花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 翌日。無理そうですと会社に電話をすると神宮寺くんが私のアパートを訪れた。帰りに送ってくれて、しばらくしてから、インターホンが鳴った。
 玄関のドアノブにはポカリやハイレモン、パウチの卵がゆやヴィックスののど飴の入ったエコバックがかけられていた。
「よくなりますように。恋生」
 華美な封筒の中に入った洒落たギフトレターに書かれた達筆な字。
 字面を見てもラブレターに見えてうっかり妄想した自分を恥じた。

「はい。あーん」
 私の眠る布団に寄り添っておかゆをれんげですくってあげてくれる。これじゃ、お母さんじゃなくて彼氏だ。
 神宮寺くんはとにかく優しい。
 なんでも、既に、うちの会社は退職して数社経営する経営者となっており、ただし勤務時間はフレックスで一日六時間。それ以上働くと生産性が落ちるというのが彼の考えだ。
 朝と夜。彼はうちのアパートに立ち寄って、掃除とか、おかゆや切り干し大根と人参の煮物、ひじきの煮物とか作ったり、お洗濯も下着以外してくれる。彼なりの配慮なのだろう。
 何故、こんなによくしてくれているのかは分からない。
 ただ、寝ているだけでやっとの自分にとってありがたいのは事実。
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