花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 こうして暇になってみると、自分が生きていたこれまでの日常が嘘みたいで。……夢幻だったのではないかと思えている。いや、いまが幻なのか。こうして、食べるものに困らず、日々を大切に丁寧に生きている。それは、社畜だった頃には出来なかった生き方だ。誰かを呪い、責め、苦悩し、自分の無力さに苛まれる。

 でも……こうして生きているだけで、喜んでくれるひとがいる。

 あなたの存在が私を救ってくれているんだよ。恋生。

 歩いて二十分ほどのところにある図書館に行くのが日課である。特にこういう雨の日は混雑する。なかには、真剣に新聞を読むおじいさんがいたりしてすっかり常連だ。私もそのひとりである。
 
 私というと、既に限界まで予約した本を受付で借りたり。或いは、一部返して、その辺をぶらついて、何気なく手に取った本との出会いを大切にしている。

 本は人間を豊かにする。どんなに酷い目に遭って、裏切られようとも、本は、絶対に裏切らない。
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