花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 一拍おいて、「いま、真剣に付き合っているひとのところに住んでいるの。そのかたのマンションに住まわせて頂いていて……、昼過ぎならいつでも大丈夫。コンシェルジュのひとがいるから荷物とかあれば取っておいてくれるの」

「そうなん? よかったなぁ……花ちゃん、ずっと彼氏おらんかったさけ、心配しておったんよ」

 ……うるさいな。親の心配は有難いけどちょっとこそばゆい。

「お母さん余震とか大丈夫? そっちは? どうなってる?」

 母の呼吸音で結論が見えた。「……まだまだ復興途中って感じやよ……畑中までの道は直ったけど、ほんでも、二時間かかるところが、三時間も四時間もかかるさけ、移動も大変やし……国道は整備されてきたけど、緑川の町の真ん中とか、道路がでっこぼこで、あぶなくて、歩けんわ」

「お母さん足が悪いんだから気を付けてね」

「わーかっとる。ほしたら、またね。花ちゃん。元気で」と思い出したように母が、「婚約者のかたにもよろしく言うといてま」

 婚約者じゃなーい!

 昔の私だったら絶叫していただろうけど。ふふん、もう、大人なのだ。
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