花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 おそらくあなたに言えば大概の願いは叶う。けども、自分の手を頭を使ってあがいてみたかった。自分がペーパードライバーなのが痛手で、石川県内で移動するとなると車が基本だから。Uberやタクシーのお世話になることが想定され、懐は痛い。

 ま、なんとかなるさ。冬のボーナスだってなにも買わなかった。買えなかった。デスマーチに挑む一介の兵士たる自分には尊厳も理由もなにもなかった。毎日毎晩仕事に明け暮れて自分を見失い……。

 ううん。考えたってどうにもならない。

 いや、考えることに意味がある。

 頭のなかはぐるぐるである。恋乃。視野。視界。握手。煩雑。連想。妄想。一夜。盲目……。

 身勝手にも恋に溺れ過去を探る私をあなたは許してくれるだろうか。もう少し、……ちゃんと覚悟を固めて調べられる限りのことは調べたうえで、あなたに向き合いたい。そのための旅だもの。

 深い、深いトンネルのなかに居続けると自分が埋まってしまう連想をしてしまい、ちょっぴり不安は過ぎるが、大丈夫。あなたに向き合うことからもう逃げないよ。恋生。
< 92 / 259 >

この作品をシェア

pagetop