シンデレラは豪雨の中で拾われる
 キスは深く、そして焦燥に駆られたものだった。今まで抱えていた彼の感情や性急になりたくないという理性、私への純粋な愛慕がごちゃ混ぜになり、包み隠さずぶつけられているように感じた。
 言動が紳士的であった葛城さんの素の部分を見たような気がして、嬉しくて仕方ない。
 
 私はされるがまま、彼のキスを受け入れた。彼の腕がシーツを握る力をさらに強まり、私の頬を包む手さえもまるで逃がさないとでも言うかのように優しく力を込めてくる。

 舌が絡み合い、呼吸が乱れ始めた頃、彼は名残惜しそうに唇を離した。離れた彼の瞳は、先ほどよりもずっと艶めいていて、私を捉えて離さない。

「本当に愛おしい」

 過剰なまでの愛は、五感を通して私に伝えられる。それに応えるため、私は勇気を出して彼が求めているであろう言葉を返した。
 
「今夜は、玲央さんの好きにしてください」

 私の言葉に、彼は嬉しそうに顔を綻ばせた。今度はもう言葉にしない。彼の熱い手が私の服の裾に触れ、ゆっくりと、しかし確実に理性のタガを外していく。

 この夜はきっと私にとって、忘れられないものになるだろう。
 
 そんな期待を胸に、私は彼の愛に溺れていった。
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