⁂👑☆『 天からの贈りもの』―― 新しい愛を見つけ、私たちを捨てて意気揚々と家を出ていった元夫が やり直したいと縋ってくるのですが──。今更そんな無茶振りを言って困らせないでください~
25.


「紀ちゃん看護師としてまたこっちに戻ってきたわけだけどその後、
おばさんとは疎遠なままなの?」


「いちど大型ショッピングセンターでちらっと見かけたくらいかな。

 どうだろう、見た感じ普通の格好で少し背中丸めて歩いてたわね。

 たぶんあっちは私を見てもよほど眼を凝らして見ないと
私って分からないと思うわよ~。

 身長も更に伸びて体型も変わってるし化粧もしてるから。
 それに私の顔なんて覚えてないんじゃないかなぁ~。


 いつも自分の見た目と男の気を引くことばかりに
気持ちいってたからね。

 私の家族は雅紀さんと香織と香織ん家のおばさんとおじさんだけ。
 あんな母親(オバハン)は知らんよ」


「ははっ、そっか。
 私のこと妹だと思ってくれてありがと。
 じゃあ お姉ちゃんに良い男性(ひと)紹介してもらわなきゃだね」


「うん、まかせて」


          ◇ ◇ ◇ ◇


 その後、私は慰謝料を一括で啓吾から貰い、あっさりと離婚。

 まったく泣いて縋ったり、怒ったり、そして離婚に難色を示すことなく
離婚した私に、啓吾のほうが少しびっくりしたくらいの、あっさりとした
離婚劇だった。

 そのあとすぐに私は、雅紀さんの同僚を紹介してもらった。
 

25-2


 とんとん拍子で怖いくらい。
 私は紹介してもらった男性と意気投合し、知り合って10ヶ月後に
結婚した。

 私が結婚したお相手は、雅紀さんがすごく親しくしていた同僚だった。

 仕事もできるいいヤツなのにお勧めの女性がいなくて、ずっと誰か良い
女性(ひと)がいないだろうかと考えてた雅紀さんには、紀ちゃんの
お勧めの私は渡りに船だったらしい。

 年齢はそう変わらないのに年収は私より2.5倍も多かった。
 いつ、専業になってもらっても構わないと言ってくれている。

 岩沢浩暉36才、雅紀さんと同じ技術者畑のエンジニアだ。
 35才を越しての結婚だった。

 もう無理かもしれないけれど、浩暉さんも自然に任せて子供ができたら
一緒にいい子に育てようって言ってくれてるので、なんか再婚してからの
生活は、未来にいろいろと展望が持てて楽しく暮らしている。


 紀ちゃん家とは季節ごとくらいには、一緒におうちごはんできる
関係だといいねぇ~なんて話している。

 こんな素敵な(ひと)を独身で残してくれてた職場環境に感謝だよ。

 じゃなかったら、私なんて条件悪いのに絶対こんな良いご縁なんて
望めなかったと思うから。


 紀ちゃん 雅紀さん ありがとー!

 浩暉さん ありがとー!


 私は心の中で何度か呟いた。

          ◇ ◇ ◇ ◇

 幸せにくらしていたそんな私に……日中の陽射しが少し強まり
公園などでツツジの花を目にするようになった頃、啓吾のお義母さんから
連絡があった。


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