⁂👑☆『 天からの贈りもの』―― 新しい愛を見つけ、私たちを捨てて意気揚々と家を出ていった元夫が やり直したいと縋ってくるのですが──。今更そんな無茶振りを言って困らせないでください~
30 ◇元夫との再会
私の夫は、私たちのテーブルのひとつ前のテーブル席に座ってる。
ちょうど啓吾の後ろになる。
私からはちょうど浩暉さんの頭と背中が見えてる。
なんだか安心する。
しみじみこの感情に笑えた。
1年前は名前も顔も知らなかった浩暉さんが今は私を一番安心させてくれる
人になり、あんなに大好きで信頼を寄せ、ふたりの店を持つという未来に
向けて一緒に支えあっていたはずの夫だった人が他人として目の前にいる
のだから、笑える以外のなにものでもなかった。
「いろいろ俺のこと、お袋から聞いてるよね?
自業自得?
因果応報?
って思ってるだろ?
君に酷いことしたんだもんな」
「そんなふうに思わないし、そんなこと言わないで。
大きな事故に巻き込まれて大変だったね」
「普通に運転してただけなのに、いきなり信号無視の大型トラックに
側面から直に突っ込まれて逃げる間もなかったっていうか。
楽しい旅行のはずが身体もこんなになってしまって、貴理との結婚も破談に
なるしで、最悪だ」
30-2
「うん、ウンそうなんだ……大変だったね。で、相談って言ってたけど? 」
「いやぁ~その聞きにくいんだけど……さ。
香織……イヤ、ゴメン香織さん
あれからそのぉ~店舗出したりしてるのかなって思って。
ほら俺こんな身体になってしまって、普通の職場は
やっぱり難しいんだよな。
だけどもし香織が店やってるんなら座ったりする時間を融通してもらって
働けるんじゃないかって思って」
どうしても普通の調剤薬局やSHOP併合の大型店では頻繁に休憩は取れない
だろうし、座ったまま仕事はさせてもらえないだろうから、もし私の経営する
店舗でならと訪ねてきたってわけね。
実際店舗立ち上げてたとしても、今の私に啓吾と一緒に働く選択肢は
どう考えても無理だけどね。
昔の夫と同じ職場で働くなんて、浩暉さんのことを考えると200%無理。
反対の立場なら私だって嫌だもの。
「啓吾……じゃなかった嶋さん、私もう結婚してて、嘘みたいだけど
もうすぐ子供もできるの。
店舗どころか仕事ももう先月で辞めてるのよ。
だから折角相談受けても何の力にもなれない。ごめんね 」
啓吾は信じられないって顔で私の説明に聞き入ってた。
30-3.
まさかね、こんな短期間で再婚して出産って、自分でも
驚いてるくらいだから。
浩暉さんは、結婚前から私の仕事と家庭に対する気持ちを大切に考えて
くれていて、ゆくゆくは店舗を持ちたいという夢も応援してくれると言って
くれている。
私も浩暉さんも年も年なのに、幸いなことにすぐに子宝に恵まれて
戸惑いを隠せないほど幸せいっぱいだ。
続けて第2子もっていう考えは一致していて、子育てが
一段落してから店を立ち上げればと言ってもらってる。
子作りと子育ては今しかできないから私もそれでいいと思ってる。
家庭のことも私の仕事のことも理解しようとしてくれる
浩暉さんには、ホントに感謝。
私の実家に対しても寛容で、祖母の介護は母一人では大変なので
私も手伝っているのだが、実家に行って帰るのが遅くなっても
祖母や母のことを気遣いこそすれ、食事ができてないことや行き届かない
家のことで不満をつきつけてくるようなこともなかった。
伊達に独身生活を長年謳歌してたわけじゃないさって。
何事にも余裕で鷹揚な夫である。
啓吾との結婚生活も精神的に何も束縛されず仲良く過ごした夫婦生活
だったから、私はつくづく夫運が良いのだろうと思う。
まぁ、乗り換えされたのに夫運が良いって、私ったらぁ
お人よし過ぎだよね。
私の夫は、私たちのテーブルのひとつ前のテーブル席に座ってる。
ちょうど啓吾の後ろになる。
私からはちょうど浩暉さんの頭と背中が見えてる。
なんだか安心する。
しみじみこの感情に笑えた。
1年前は名前も顔も知らなかった浩暉さんが今は私を一番安心させてくれる
人になり、あんなに大好きで信頼を寄せ、ふたりの店を持つという未来に
向けて一緒に支えあっていたはずの夫だった人が他人として目の前にいる
のだから、笑える以外のなにものでもなかった。
「いろいろ俺のこと、お袋から聞いてるよね?
自業自得?
因果応報?
って思ってるだろ?
君に酷いことしたんだもんな」
「そんなふうに思わないし、そんなこと言わないで。
大きな事故に巻き込まれて大変だったね」
「普通に運転してただけなのに、いきなり信号無視の大型トラックに
側面から直に突っ込まれて逃げる間もなかったっていうか。
楽しい旅行のはずが身体もこんなになってしまって、貴理との結婚も破談に
なるしで、最悪だ」
30-2
「うん、ウンそうなんだ……大変だったね。で、相談って言ってたけど? 」
「いやぁ~その聞きにくいんだけど……さ。
香織……イヤ、ゴメン香織さん
あれからそのぉ~店舗出したりしてるのかなって思って。
ほら俺こんな身体になってしまって、普通の職場は
やっぱり難しいんだよな。
だけどもし香織が店やってるんなら座ったりする時間を融通してもらって
働けるんじゃないかって思って」
どうしても普通の調剤薬局やSHOP併合の大型店では頻繁に休憩は取れない
だろうし、座ったまま仕事はさせてもらえないだろうから、もし私の経営する
店舗でならと訪ねてきたってわけね。
実際店舗立ち上げてたとしても、今の私に啓吾と一緒に働く選択肢は
どう考えても無理だけどね。
昔の夫と同じ職場で働くなんて、浩暉さんのことを考えると200%無理。
反対の立場なら私だって嫌だもの。
「啓吾……じゃなかった嶋さん、私もう結婚してて、嘘みたいだけど
もうすぐ子供もできるの。
店舗どころか仕事ももう先月で辞めてるのよ。
だから折角相談受けても何の力にもなれない。ごめんね 」
啓吾は信じられないって顔で私の説明に聞き入ってた。
30-3.
まさかね、こんな短期間で再婚して出産って、自分でも
驚いてるくらいだから。
浩暉さんは、結婚前から私の仕事と家庭に対する気持ちを大切に考えて
くれていて、ゆくゆくは店舗を持ちたいという夢も応援してくれると言って
くれている。
私も浩暉さんも年も年なのに、幸いなことにすぐに子宝に恵まれて
戸惑いを隠せないほど幸せいっぱいだ。
続けて第2子もっていう考えは一致していて、子育てが
一段落してから店を立ち上げればと言ってもらってる。
子作りと子育ては今しかできないから私もそれでいいと思ってる。
家庭のことも私の仕事のことも理解しようとしてくれる
浩暉さんには、ホントに感謝。
私の実家に対しても寛容で、祖母の介護は母一人では大変なので
私も手伝っているのだが、実家に行って帰るのが遅くなっても
祖母や母のことを気遣いこそすれ、食事ができてないことや行き届かない
家のことで不満をつきつけてくるようなこともなかった。
伊達に独身生活を長年謳歌してたわけじゃないさって。
何事にも余裕で鷹揚な夫である。
啓吾との結婚生活も精神的に何も束縛されず仲良く過ごした夫婦生活
だったから、私はつくづく夫運が良いのだろうと思う。
まぁ、乗り換えされたのに夫運が良いって、私ったらぁ
お人よし過ぎだよね。