隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました
最終話
ゲームにログインすると、オクラ大臣からのメッセージが2通届いていた。
そういえばしばらく一緒にデイリークエストこなそうと約束していた。パーティリクエストかなと思い開くと、同居人であるマリン姫と関係が悪化してしんどいという病みメッセージとその次のメッセージには、マリン姫と今日はクエストすることになったからデイリークエストは一緒に出来ないというハートマークが羅列されたメッセージが送られていた。
マリン姫とようやくゲームでプレイできるのを楽しみにしているようだ。
よかったなあと思いつつ、ついさっき私の同居人である中の人とは少々嫌なムードになってしまったので、ムギちゃんとのクエストは難しそうである。仕方がない。1人でデイリークエストをこなすか。とクエストのエリアに侵入しようとコマンドを立ち上げる。
するとパーティ申請がムギちゃんから届いた。
ゲームのシステム的に、同居人がログインすれば相手にログイン情報が共有されるシステムだ。だから五百城は私がログインしたことを知って、パーティ申請のメッセを送ってきたということ。
気まずい気持ちもありつつも、久しぶりのムギとのプレイである。断る理由などない。
パーティ申請の承認ボタンを押す。
今度は、ムギちゃんのエリアに転送するかが尋ねられた。
それも承認する。
転送された先は、デイリークエストのエリアに入るゲートの前だった。
他にもクエストゲートに入るために待ち合わせているアバターがちらほらある。
そんな中、ムギちゃんを見つける。
ゲートへと近づくなり、ゲートが開いた。
デイリークエストのスタートの音楽が流れ、魔獣が溢れるエリアに突入する。
どんどん奥へと進んでいくムギちゃんを追う形でエリア内にいる敵を消滅していく。
いきなりクエストが始まったのもあって、ボイチャのセットもまだだったことを思い出した。
テーブルの端に置いてあったヘッドセットを引き寄せて、マイクのボタンをオンにする。
最近は五百城と部屋で一緒にプレイすることが増えたから、いつものムギちゃんはチャット派だったことを失念していた。
チャットによろしく、とメッセージを書き込んで、再びゲームのプレイに戻る。
返信が来るかと期待していたが、ムギちゃんからの返信はない。私が一方的に話すだけ。ムギちゃんからのメッセージはない。なんだろう、なにか変だ。なにかがおかしい。