君の姿が変わっても....
桜が満開になり、鶯の鳴き声が響く4月。
今日は私にとって心待ちであったイベントの日であった。
あれから年月が経ち、中学1年生のナオは....
「....終わった....」
現在針は8時10分を指している。
8時30分までには到着だから、残りは約20分...。
私は勢いよく体を起こし、リビングへと駆け込んだ。
リビングへ駆け込むと、父は新聞を、母は食器洗いをしている。
また、視線をテーブルに向けると1人分のトースト1枚と牛乳が置かれていた。
普段は家族揃って食べていたこともあり、私は確信犯だと理解していなが
「どうして起こしてくれなかったの!?今日は待ちに待った入学式何なのに....」
声を荒げると父は眉間にシワを寄せ、母は笑顔でこちらに顔を向けた。
お互い対象的な表情をしているが、きっと思うところは共通しているに違いなかった....。
「お母さんだって忙しいの」
「でも今日は特別なんだよ!昨日入学式一時間前に設定しといたハズなのに....」
「1時間は遅すぎだろ?せめて2時間前にしなさい」
「それあまり変わらない!」
この具合で父と話していると、普段通りの朝食を取っている気分になる。
そのため、無意識に現実逃避をしていた自分だが....。
「まぁまぁ。口動かしてる時間なんてないんじゃないの?」
そうだった..!
母の言葉で現実に引き戻された。
こうなれば朝食を食べる時間なんてとてもなかった。
私は素早く身支度を整え、玄関の扉を勢いよく開け
「いってきます....!」
飼っている犬にも挨拶することなく家を飛び出した。
それからは無我夢中で走り続けた。
今までに鍛え上げてきた体力や速さが生かされる時が来たと、改めて身にしみる。
初日から遅刻なんて絶対したくない....!
そんなことが起こったら..小学生の頃のようにひときわ目立つ存在になりかねないと身を持って実感していたからだ....!
その上、今日はイスズと一緒に登校すると待ち合わせまでしてたのに…...。
こんな時間じゃもう....学校へ向かってるよ..ね?
決してない選択を疑いつつ、念の為に向かった。
集合場所は放課後3人で走っていた公園
中でも私は、中央に1人立っている「アオダモ」に目が留まった。
「アオダモ」というのは、白い花が咲く、落葉樹である。
また、小学一年生の頃に植えられたこともあり、4人一緒に成長していくんだと奥底で親近感を抱いておたのかもしれない......。
あのときは私の膝辺りまでしか背がなかったことに対し今では....私を越してしまうほど大きく成長していることに感心してしまう。
そんなアオダモの木下に、ふと目を落とすと....
「....」
「ぇ....」
「遅い....」
私の予想外れ、イスズが待ってくれていた。
もしこのまま公園へ寄らずに学校へ向かっていたら、どうなっていただろうか.....。
心の底から疑っていた選択を信じた自分に安心感を覚える。
「ごっごめん。でも入学式始まりまで後20分くらいしかないよ!」
「ありゃま」
「走っていこう!」
その声を合図に私は走り出した。
「まっ待ってよ..!」
後ろに続いてイスズが走ってくる。
(ナオ凄く足速いなぁ..途中で置いていかれそう....)
この様子だとギリ間に合う距離だろう。
また、彼女がいることによって1人目立つことは避けられた。
その面では感謝しかない....。
公園を後にする前に、もう一度「アオダモ」を見ようと振り返る。
もしかしたら彼も来ているのではないかと....。
私はイスズの隣に並んで聞いてみた。
「そういえばショウは?」
そう言うと彼女はこちらに目を向け、一瞬で前に戻す。
「今日も休みだと思うよ。確か五年生後半くらいから学校来てないでしょ?中学生になったから、少しは期待したけど....」
「そっか....」
イスズの言う通りショウは五年生辺りから学校へ来ていない。
メッセージの返信は返ってくるのだが、どうして学校に来ないかは分からない....。
本人に伺ったら解決する話だが、未だにためらってしまう。
「....」
「まぁ大丈夫。行こう....!」
ショウから切り替え、角を曲がろうとした時
ドン..!
誰かとぶつかった。
私が声を上げる前より先に
「痛ってぇ...」
「こっこの声..もしかして....」
意気揚々としており、朝から脳に響く。
私はこの声に聞き馴染みを感じた。
迷うことなく名前を呼んでみようとしたら
「当ったり~!ライカ君でしたぁ〜!」
やはり、一ノ瀬ライカだった。
「まだナオ、何も答えてないよ?」
「お前らも遅刻か?まじヤバい奴ばっかりだなぁ....」
「それあんたもね」
イスズのツッコミとライカのボケが炸裂している。
本心会話に加わりたい気持ちは山々だが、
「2人とも急いで!」
私は盛り上がっている2人を残し、1人死に物狂いで走り出した。
「やべっイスズ早く行くぞ」
「....」
(ショウは..来てないんだな...)
それに気が付いたライカ、イスズの順に後を追ってくる。
表情を伺えるような余裕はないが、話し声は吹いている風と共に止まっている。
初日から遅刻をしたくない....!
この想いは恐らく二人とも疑いなく同じであろう....。
もうこれ以上、道草食わずに進み続けたい....。
そう..願っていた......。
だが......
ドン....!
「....」
キーンコーンカーンコーン....!
絶望的なチャイムが鳴り響く。
この瞬間だけは時が止まったかのように、皆立ち尽くしていた。
私達の願いは届かなかった....。
それぞれ何も口にせず呆然とする。
どうにもならない状況に、私は苦笑いを浮かべた。
「あぁ..終わった....私の新学期生活....」
私は失意のごとく、脱力して座り込んだ。
それを見たイスズは人差し指を眼の前に突きつける。
「ナオの遅刻が悪い。今後は気を付けること」
「たっ確かにそうだ....ごめんなさい....」
「まぁまぁ気にすんなって!1人じゃなくて3人遅刻なんだぜ。皆で行けば怖くないさ」
1人高揚しているライカを目にすると、更に沈んでしまう。
ひとまず深呼吸を行い、気持ちを改める。
これだけ落ち込んでいても仕方のない。
遅刻をした私にも責任がある上、時間は取り返しのつかないものである。
「あぁ、もう皆ゆっくり行こうか....」
「そうしましょ」
「さんせーだ!」
気分を切り替えたことも有り、眼の前で倒れている人が目に付く。
その人は私とぶつかり、横倒しに倒れたのだ。
「だっ大丈夫ですか....?」
「....」
今までは顔見知りとぶつかってきたが、今回は見覚えのない人だ。
少し癖毛の金髪、それに不似合いな緋色の瞳。
「大丈夫です。ありがとうございます」
凝視していると、曇のない透き通った声で答えてきた。
また、ぶつかってきた相手にもかかわらず、私に微笑んでくる。
そのため彼への第一印象は..スラッとして大人っぽい....。
「そのカバンの紋章..もしかして四葉ミドリ学園?」
イスズがいち早く気が付く。
「はい、そうです」
「それにしても見かけない顔だな」
「名前は....?」
私は無意識に彼の名前を聞いた。
すると彼は一瞬、不敵な笑みを浮かべ
「月詠アインです」
「私はナオ」
「イスズです」
「ライカだ。よろしくな!」
私が始めに自己紹介をすると次々と名乗った。
アイン君からすると、一気に名前を言われても脳裏に焼き付けるこはは出来ないであろうが、彼は再度笑みを浮かべて
「よろしくお願いします。咲花ナオさん、音無イスズさん、一ノ瀬ライカさん」
3人の名前を欠けることなく口にした。
私はその時、彼は記憶力に満ちあふれているものだと思っていた。
イスズは衝撃的であるかのような表情をしている。
まぁ無理もないであろう....。
しかしどうしてだろうか....。
彼の笑顔のお陰で前向きな気持ちになれた自分がいたのだ。
「じゃあ4人で一緒に行こう!」
そう張り上げて口にすると、皆頷いた。
残念なことに入学式には間に合わず、初日で遅刻という結果になってしまった。
だが遅刻をしたからこそ、素敵な出会いがあったのだと心に留めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~ライカ視点~
皆、学校に向かって歩く。
4人、本当はアインではなくショウが一緒だったなのに....。
ショウ、一緒に登校したかったなぁ....。
今日来ないのなら、いつ勇気を出すのだろうか....。
あまりプレッシャーはかけないほうが彼のためであることは理解しているけどさ。
学校、俺はショウの来たいときに来ればいいし、来れないなら隣で支えれば良い話。
ショウの気が変化した時に、ナオへ今の自分を明かす。
きっとナオなら....今のショウを受け入れてくれるはず....。
「君のお友達は、あれから来てないんですね?中学生になったら来てくれると思ってたんですけど。一ノ瀬ライカさん?」
突然耳元で囁かれ、思わず耳を覆った。
しかし彼はそれを気に留めることなく話を続ける。
「僕はですね、今の彼の姿を知っています」
「ぇ....?」
今の姿を知っている?
もしかして、ショウのこと言ってるのか....?
でもそんな事有り得ない。
俺以外誰もショウのことは知らないハズだ......。
「....」
でももし、誰にも話していないのにあいつが知っていたとすれば....。
ショウと何か関係があるに違いない。
「2人とも何してるの?置いてっちゃうよ!」
前の方にいたナオが声を上げた。
「あっ今行く....!」
「....」
(いつまでも殻に閉じこもっているつもりだろうか。でもこれは俺にチャンスであること。俺はどんな奴に恨まれても、嫌われても、犠牲にしても手に入れる....俺の大切な....君のことを......)
今日は私にとって心待ちであったイベントの日であった。
あれから年月が経ち、中学1年生のナオは....
「....終わった....」
現在針は8時10分を指している。
8時30分までには到着だから、残りは約20分...。
私は勢いよく体を起こし、リビングへと駆け込んだ。
リビングへ駆け込むと、父は新聞を、母は食器洗いをしている。
また、視線をテーブルに向けると1人分のトースト1枚と牛乳が置かれていた。
普段は家族揃って食べていたこともあり、私は確信犯だと理解していなが
「どうして起こしてくれなかったの!?今日は待ちに待った入学式何なのに....」
声を荒げると父は眉間にシワを寄せ、母は笑顔でこちらに顔を向けた。
お互い対象的な表情をしているが、きっと思うところは共通しているに違いなかった....。
「お母さんだって忙しいの」
「でも今日は特別なんだよ!昨日入学式一時間前に設定しといたハズなのに....」
「1時間は遅すぎだろ?せめて2時間前にしなさい」
「それあまり変わらない!」
この具合で父と話していると、普段通りの朝食を取っている気分になる。
そのため、無意識に現実逃避をしていた自分だが....。
「まぁまぁ。口動かしてる時間なんてないんじゃないの?」
そうだった..!
母の言葉で現実に引き戻された。
こうなれば朝食を食べる時間なんてとてもなかった。
私は素早く身支度を整え、玄関の扉を勢いよく開け
「いってきます....!」
飼っている犬にも挨拶することなく家を飛び出した。
それからは無我夢中で走り続けた。
今までに鍛え上げてきた体力や速さが生かされる時が来たと、改めて身にしみる。
初日から遅刻なんて絶対したくない....!
そんなことが起こったら..小学生の頃のようにひときわ目立つ存在になりかねないと身を持って実感していたからだ....!
その上、今日はイスズと一緒に登校すると待ち合わせまでしてたのに…...。
こんな時間じゃもう....学校へ向かってるよ..ね?
決してない選択を疑いつつ、念の為に向かった。
集合場所は放課後3人で走っていた公園
中でも私は、中央に1人立っている「アオダモ」に目が留まった。
「アオダモ」というのは、白い花が咲く、落葉樹である。
また、小学一年生の頃に植えられたこともあり、4人一緒に成長していくんだと奥底で親近感を抱いておたのかもしれない......。
あのときは私の膝辺りまでしか背がなかったことに対し今では....私を越してしまうほど大きく成長していることに感心してしまう。
そんなアオダモの木下に、ふと目を落とすと....
「....」
「ぇ....」
「遅い....」
私の予想外れ、イスズが待ってくれていた。
もしこのまま公園へ寄らずに学校へ向かっていたら、どうなっていただろうか.....。
心の底から疑っていた選択を信じた自分に安心感を覚える。
「ごっごめん。でも入学式始まりまで後20分くらいしかないよ!」
「ありゃま」
「走っていこう!」
その声を合図に私は走り出した。
「まっ待ってよ..!」
後ろに続いてイスズが走ってくる。
(ナオ凄く足速いなぁ..途中で置いていかれそう....)
この様子だとギリ間に合う距離だろう。
また、彼女がいることによって1人目立つことは避けられた。
その面では感謝しかない....。
公園を後にする前に、もう一度「アオダモ」を見ようと振り返る。
もしかしたら彼も来ているのではないかと....。
私はイスズの隣に並んで聞いてみた。
「そういえばショウは?」
そう言うと彼女はこちらに目を向け、一瞬で前に戻す。
「今日も休みだと思うよ。確か五年生後半くらいから学校来てないでしょ?中学生になったから、少しは期待したけど....」
「そっか....」
イスズの言う通りショウは五年生辺りから学校へ来ていない。
メッセージの返信は返ってくるのだが、どうして学校に来ないかは分からない....。
本人に伺ったら解決する話だが、未だにためらってしまう。
「....」
「まぁ大丈夫。行こう....!」
ショウから切り替え、角を曲がろうとした時
ドン..!
誰かとぶつかった。
私が声を上げる前より先に
「痛ってぇ...」
「こっこの声..もしかして....」
意気揚々としており、朝から脳に響く。
私はこの声に聞き馴染みを感じた。
迷うことなく名前を呼んでみようとしたら
「当ったり~!ライカ君でしたぁ〜!」
やはり、一ノ瀬ライカだった。
「まだナオ、何も答えてないよ?」
「お前らも遅刻か?まじヤバい奴ばっかりだなぁ....」
「それあんたもね」
イスズのツッコミとライカのボケが炸裂している。
本心会話に加わりたい気持ちは山々だが、
「2人とも急いで!」
私は盛り上がっている2人を残し、1人死に物狂いで走り出した。
「やべっイスズ早く行くぞ」
「....」
(ショウは..来てないんだな...)
それに気が付いたライカ、イスズの順に後を追ってくる。
表情を伺えるような余裕はないが、話し声は吹いている風と共に止まっている。
初日から遅刻をしたくない....!
この想いは恐らく二人とも疑いなく同じであろう....。
もうこれ以上、道草食わずに進み続けたい....。
そう..願っていた......。
だが......
ドン....!
「....」
キーンコーンカーンコーン....!
絶望的なチャイムが鳴り響く。
この瞬間だけは時が止まったかのように、皆立ち尽くしていた。
私達の願いは届かなかった....。
それぞれ何も口にせず呆然とする。
どうにもならない状況に、私は苦笑いを浮かべた。
「あぁ..終わった....私の新学期生活....」
私は失意のごとく、脱力して座り込んだ。
それを見たイスズは人差し指を眼の前に突きつける。
「ナオの遅刻が悪い。今後は気を付けること」
「たっ確かにそうだ....ごめんなさい....」
「まぁまぁ気にすんなって!1人じゃなくて3人遅刻なんだぜ。皆で行けば怖くないさ」
1人高揚しているライカを目にすると、更に沈んでしまう。
ひとまず深呼吸を行い、気持ちを改める。
これだけ落ち込んでいても仕方のない。
遅刻をした私にも責任がある上、時間は取り返しのつかないものである。
「あぁ、もう皆ゆっくり行こうか....」
「そうしましょ」
「さんせーだ!」
気分を切り替えたことも有り、眼の前で倒れている人が目に付く。
その人は私とぶつかり、横倒しに倒れたのだ。
「だっ大丈夫ですか....?」
「....」
今までは顔見知りとぶつかってきたが、今回は見覚えのない人だ。
少し癖毛の金髪、それに不似合いな緋色の瞳。
「大丈夫です。ありがとうございます」
凝視していると、曇のない透き通った声で答えてきた。
また、ぶつかってきた相手にもかかわらず、私に微笑んでくる。
そのため彼への第一印象は..スラッとして大人っぽい....。
「そのカバンの紋章..もしかして四葉ミドリ学園?」
イスズがいち早く気が付く。
「はい、そうです」
「それにしても見かけない顔だな」
「名前は....?」
私は無意識に彼の名前を聞いた。
すると彼は一瞬、不敵な笑みを浮かべ
「月詠アインです」
「私はナオ」
「イスズです」
「ライカだ。よろしくな!」
私が始めに自己紹介をすると次々と名乗った。
アイン君からすると、一気に名前を言われても脳裏に焼き付けるこはは出来ないであろうが、彼は再度笑みを浮かべて
「よろしくお願いします。咲花ナオさん、音無イスズさん、一ノ瀬ライカさん」
3人の名前を欠けることなく口にした。
私はその時、彼は記憶力に満ちあふれているものだと思っていた。
イスズは衝撃的であるかのような表情をしている。
まぁ無理もないであろう....。
しかしどうしてだろうか....。
彼の笑顔のお陰で前向きな気持ちになれた自分がいたのだ。
「じゃあ4人で一緒に行こう!」
そう張り上げて口にすると、皆頷いた。
残念なことに入学式には間に合わず、初日で遅刻という結果になってしまった。
だが遅刻をしたからこそ、素敵な出会いがあったのだと心に留めた。
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~ライカ視点~
皆、学校に向かって歩く。
4人、本当はアインではなくショウが一緒だったなのに....。
ショウ、一緒に登校したかったなぁ....。
今日来ないのなら、いつ勇気を出すのだろうか....。
あまりプレッシャーはかけないほうが彼のためであることは理解しているけどさ。
学校、俺はショウの来たいときに来ればいいし、来れないなら隣で支えれば良い話。
ショウの気が変化した時に、ナオへ今の自分を明かす。
きっとナオなら....今のショウを受け入れてくれるはず....。
「君のお友達は、あれから来てないんですね?中学生になったら来てくれると思ってたんですけど。一ノ瀬ライカさん?」
突然耳元で囁かれ、思わず耳を覆った。
しかし彼はそれを気に留めることなく話を続ける。
「僕はですね、今の彼の姿を知っています」
「ぇ....?」
今の姿を知っている?
もしかして、ショウのこと言ってるのか....?
でもそんな事有り得ない。
俺以外誰もショウのことは知らないハズだ......。
「....」
でももし、誰にも話していないのにあいつが知っていたとすれば....。
ショウと何か関係があるに違いない。
「2人とも何してるの?置いてっちゃうよ!」
前の方にいたナオが声を上げた。
「あっ今行く....!」
「....」
(いつまでも殻に閉じこもっているつもりだろうか。でもこれは俺にチャンスであること。俺はどんな奴に恨まれても、嫌われても、犠牲にしても手に入れる....俺の大切な....君のことを......)
