シンデレラ・スキャンダル
シャツから出ている彼の引き締まった腕に、そっと指を伸ばし、つついてみる。自分の腕の柔らかさとは全く異なる、まるで岩のような硬さに、思わず目を見張る。
「わ、すごい! かたい!」
驚きの声を上げながら、彼の腕を手のひら全体で包み込むように触れる。筋繊維が密に詰まっているのがよくわかる。彼も「くすぐったい」と小さく笑いながらも、わたしが触れた部分に意識的にぐっと力を入れてくれた。その一瞬、さらに硬度が増したのがわかった。
「今はちょっと見栄を張って、力を入れてます」
悪戯っぽくそう言う彼の表情に、わたしは笑みを返す。
彼の腕が尋常ではない鍛えられ方をしているのは明らかだった。
「体脂肪率すごそうですね」
「今は年末に向けて絞り始めてるから、十パーセント弱かな」
彼の口から出た数値に、わたしは息を呑んだ。
「じゅ、じゅっぱー……」
十パーセントを切る、というレベルがどれほどのものか、わたしには想像もつかない。パーソナルトレーナーたちでさえ、「プロでも十を切るのは至難の業だ」と話していたのを覚えている。
(やはりアスリートなんだ。プロレスじゃなくて格闘技っていう線もある)
今まで見たことのない筋肉の付き方をする彼の腕に注がれるわたしの視線。それと同様に、彼の視線がふとわたしの二の腕に移ったことに気付いた。
「わ、すごい! かたい!」
驚きの声を上げながら、彼の腕を手のひら全体で包み込むように触れる。筋繊維が密に詰まっているのがよくわかる。彼も「くすぐったい」と小さく笑いながらも、わたしが触れた部分に意識的にぐっと力を入れてくれた。その一瞬、さらに硬度が増したのがわかった。
「今はちょっと見栄を張って、力を入れてます」
悪戯っぽくそう言う彼の表情に、わたしは笑みを返す。
彼の腕が尋常ではない鍛えられ方をしているのは明らかだった。
「体脂肪率すごそうですね」
「今は年末に向けて絞り始めてるから、十パーセント弱かな」
彼の口から出た数値に、わたしは息を呑んだ。
「じゅ、じゅっぱー……」
十パーセントを切る、というレベルがどれほどのものか、わたしには想像もつかない。パーソナルトレーナーたちでさえ、「プロでも十を切るのは至難の業だ」と話していたのを覚えている。
(やはりアスリートなんだ。プロレスじゃなくて格闘技っていう線もある)
今まで見たことのない筋肉の付き方をする彼の腕に注がれるわたしの視線。それと同様に、彼の視線がふとわたしの二の腕に移ったことに気付いた。