シンデレラ・スキャンダル
11話 王子様はヒーロー?
◇◇◇
翌朝目覚めて、部屋から出てリビングへと向かう。すると、そこには、まだ眠気が残っているのか、金色の髪に無造作な寝癖をつけたままの彼が、窓から差し込む朝の光の中に立っていた。そのあまりにも無防備な姿に、わたしは思わず「ふふっ」と笑いをこぼしてしまう。
わたしの声に気づいた彼が、少し照れたように微笑んで、陽を透かして輝く金色の髪を無造作に触った。
「おはようございます」
「おはよう」
わたしも微笑みを返しながら、キッチンへと足を進める。朝食の準備を始めようと視線を巡らせると、テーブルの中央に、艶やかなオレンジ色の皮をしたパパイヤが置かれているのが目に入った。
そのパパイヤを両手でそっと持ち上げ、彼のほうを振り返る。
「切ってもいいですか?」
わたしの問いかけに、彼はコーヒーカップを口元に運びながら、優しい眼差しで頷いた。
「もちろん。ありがとう」
彼の声は、朝の静けさに心地よく響いた。波の音も遠く聞こえる。
わたしは、傍らに置いてあった小さなフルーツナイフを手に取り、パパイヤの皮を丁寧に剥き始める。手触りは少し硬いが、包丁を入れると、甘く濃厚な香りがふわりと立ち昇った。
隣に立つ彼は、カップをソーサーに戻し、興味深そうにわたしの手元を見つめている。わたしが種を取り、一口大に切り分けた途端、待ちきれない様子で手が出てきた。
翌朝目覚めて、部屋から出てリビングへと向かう。すると、そこには、まだ眠気が残っているのか、金色の髪に無造作な寝癖をつけたままの彼が、窓から差し込む朝の光の中に立っていた。そのあまりにも無防備な姿に、わたしは思わず「ふふっ」と笑いをこぼしてしまう。
わたしの声に気づいた彼が、少し照れたように微笑んで、陽を透かして輝く金色の髪を無造作に触った。
「おはようございます」
「おはよう」
わたしも微笑みを返しながら、キッチンへと足を進める。朝食の準備を始めようと視線を巡らせると、テーブルの中央に、艶やかなオレンジ色の皮をしたパパイヤが置かれているのが目に入った。
そのパパイヤを両手でそっと持ち上げ、彼のほうを振り返る。
「切ってもいいですか?」
わたしの問いかけに、彼はコーヒーカップを口元に運びながら、優しい眼差しで頷いた。
「もちろん。ありがとう」
彼の声は、朝の静けさに心地よく響いた。波の音も遠く聞こえる。
わたしは、傍らに置いてあった小さなフルーツナイフを手に取り、パパイヤの皮を丁寧に剥き始める。手触りは少し硬いが、包丁を入れると、甘く濃厚な香りがふわりと立ち昇った。
隣に立つ彼は、カップをソーサーに戻し、興味深そうにわたしの手元を見つめている。わたしが種を取り、一口大に切り分けた途端、待ちきれない様子で手が出てきた。