シンデレラ・スキャンダル
わたしの喉の奥でひゅっと音がなる。
頭にタオルをかぶったままの彼は、白いシャツにベージュのパンツを身にまとい、ゴールドの指輪とバングルが小麦色の肌によく映える。本当に格好いい。非の打ち所がないくらいに魅力的だ。格好はいいんだけれど、その姿には、大きな問題がある。
暑いからなのか、それとも単に無頓着なのか、彼が羽織ったシャツのボタンは、一つも留められていない。露わになった小麦色の胸板。昨日、指先で触れたタトゥーが、大胆に広がっている。
視線を、逸らせない。鍛え抜かれた胸筋から、彫刻のように陰影を刻む腹筋へ——。 まるで美術品でも見るかのように、わたしの目はその完璧な肉体美に釘付けになっていた。
「やっぱり王子ではないな」
「そうね、王子様というイメージからは、だいぶかけ離れているわね」と、忍さんは潤さんに深く同意するように頷く。
「なに、王子って」
龍介さんは、訝しげな顔で聞いてきた。
「いいの、リュウはどっちかっていうと、白馬に乗った王子様っていうより、困っている人を助けるヒーローだっていう話」
「なにそれ。どういうこと?」
龍介さんは、相変わらず怪訝そうな顔をしている。
頭にタオルをかぶったままの彼は、白いシャツにベージュのパンツを身にまとい、ゴールドの指輪とバングルが小麦色の肌によく映える。本当に格好いい。非の打ち所がないくらいに魅力的だ。格好はいいんだけれど、その姿には、大きな問題がある。
暑いからなのか、それとも単に無頓着なのか、彼が羽織ったシャツのボタンは、一つも留められていない。露わになった小麦色の胸板。昨日、指先で触れたタトゥーが、大胆に広がっている。
視線を、逸らせない。鍛え抜かれた胸筋から、彫刻のように陰影を刻む腹筋へ——。 まるで美術品でも見るかのように、わたしの目はその完璧な肉体美に釘付けになっていた。
「やっぱり王子ではないな」
「そうね、王子様というイメージからは、だいぶかけ離れているわね」と、忍さんは潤さんに深く同意するように頷く。
「なに、王子って」
龍介さんは、訝しげな顔で聞いてきた。
「いいの、リュウはどっちかっていうと、白馬に乗った王子様っていうより、困っている人を助けるヒーローだっていう話」
「なにそれ。どういうこと?」
龍介さんは、相変わらず怪訝そうな顔をしている。