シンデレラ・スキャンダル
唇をなぞる親指のざらりとした感触に、わたしは吸い込まれるように、ゆっくりと瞼を閉じた。
潮騒の音が遠のき、代わりに彼の甘い吐息が近づいてくる。そして——唇に、柔らかくて熱いものが触れた。
優しく柔らかい口づけは、少しずつ深く重なり合っていく。息もままならない程に。喘ぐように息をして、また彼に塞がれて。
二つの唇の隙間から、こぼれ落ちる吐息。わたしの身体に触れる龍介さんの手の熱。触れられたその場所から全身に熱が広がって、全てが彼に染まっていく。
六年ぶりの恋はリハビリをする間もなく、転がるように落ちていく。きっとこの恋は刹那に瞬いて、すぐに散っていってしまうだろう。それでも止められない。もうどうしようもできない。
重なり合う素肌の温かさも、覆いかぶさる身体の重さも、夢を見ているようで、幸せで苦しい。耳に届く息遣いと波の音に胸の高鳴りが増していく。わたしは縋るように、彼の背中に腕を回した。
潮騒の音が遠のき、代わりに彼の甘い吐息が近づいてくる。そして——唇に、柔らかくて熱いものが触れた。
優しく柔らかい口づけは、少しずつ深く重なり合っていく。息もままならない程に。喘ぐように息をして、また彼に塞がれて。
二つの唇の隙間から、こぼれ落ちる吐息。わたしの身体に触れる龍介さんの手の熱。触れられたその場所から全身に熱が広がって、全てが彼に染まっていく。
六年ぶりの恋はリハビリをする間もなく、転がるように落ちていく。きっとこの恋は刹那に瞬いて、すぐに散っていってしまうだろう。それでも止められない。もうどうしようもできない。
重なり合う素肌の温かさも、覆いかぶさる身体の重さも、夢を見ているようで、幸せで苦しい。耳に届く息遣いと波の音に胸の高鳴りが増していく。わたしは縋るように、彼の背中に腕を回した。