シンデレラ・スキャンダル
四人の男性がテラスの椅子に座って、グラス片手に談笑している。わたしに気付いた龍介さんがテラスに繋がる窓を開けて迎えてくれる。テーブルに座っている男性たちの顔が一斉にこちらを向き、そして全員が立ち上がる。
その動きと体の大きさに驚いて、思わず俯いてしまった。一気に自分の体の中心に緊張が走ったことがわかる。
挨拶なんて慣れているはずなのに、少しだけ震えそうな自分がいる。龍介さんに差し出された手をとって彼の傍に寄り添うように立ち、向けられたその顔に視線を投げようとした、その時——
「え……」
わたしは目を見開いた。そこに、見覚えのある顔が目の前に並んでいたから。
嘘。どうして、彼らが。どうして、あの彼がここにいるの。
何度も何度も栞ちゃんに見せられた画像。いつの間にか覚えてしまったその顔。だって、彼らは……
「さっきも話したけど、この子が綾乃」
「どうも、徹です」
「初めまして。優斗です」
その名前と、白い肌、特徴的な甘い目元。脳裏で、栞ちゃんの声が弾けた。
——『YUTOは中身も完璧なんです!』
心臓が、早鐘を打つ。視線が泳ぐ。隣に立つ、金髪の彼。サングラス、タトゥー、鍛え抜かれた体、そしてあの圧倒的な歌声。
——『Legacyのボーカルが体調不良……』
嘘。嘘だ。バラバラだったピースが、暴力的なまでの勢いで一つの絵を結んでいく。呼吸が止まる。膝が震える。わたしは、とんでもない「勘違い」をしていた。
「……龍介、さん……Legacyの、RYU……?」
頭の中がただ真っ白になっていく。わたしの目の前に立つ彼らは紛れもなく、あの『Legacy』。
その動きと体の大きさに驚いて、思わず俯いてしまった。一気に自分の体の中心に緊張が走ったことがわかる。
挨拶なんて慣れているはずなのに、少しだけ震えそうな自分がいる。龍介さんに差し出された手をとって彼の傍に寄り添うように立ち、向けられたその顔に視線を投げようとした、その時——
「え……」
わたしは目を見開いた。そこに、見覚えのある顔が目の前に並んでいたから。
嘘。どうして、彼らが。どうして、あの彼がここにいるの。
何度も何度も栞ちゃんに見せられた画像。いつの間にか覚えてしまったその顔。だって、彼らは……
「さっきも話したけど、この子が綾乃」
「どうも、徹です」
「初めまして。優斗です」
その名前と、白い肌、特徴的な甘い目元。脳裏で、栞ちゃんの声が弾けた。
——『YUTOは中身も完璧なんです!』
心臓が、早鐘を打つ。視線が泳ぐ。隣に立つ、金髪の彼。サングラス、タトゥー、鍛え抜かれた体、そしてあの圧倒的な歌声。
——『Legacyのボーカルが体調不良……』
嘘。嘘だ。バラバラだったピースが、暴力的なまでの勢いで一つの絵を結んでいく。呼吸が止まる。膝が震える。わたしは、とんでもない「勘違い」をしていた。
「……龍介、さん……Legacyの、RYU……?」
頭の中がただ真っ白になっていく。わたしの目の前に立つ彼らは紛れもなく、あの『Legacy』。