気まぐれ王子と召使い

噂の琥珀くん



「世那ー、今日も来たぞ〜」



派手な髪色が教室のドアからひょこりと見える。



「甲斐君、今日の世那さんは一段と機嫌が悪いよ…」


「知ってる、俺のクラスの奴から聞いたよ。まさか世那と桜木先輩が付き合ってたなんて…」


「しかも一週間で別れるって言うね……」


「……おい下僕、余計なことベラベラ喋んな」


「だってー……」



「さ、桜木先輩を一週間で…」



信じられないような目で世那を見る甲斐君。

そりゃそうだろう。桜木先輩は言わば学園のマドンナのような存在なんだから。

そんな彼女がまさか一週間で捨てられるような事があるなんて思わないよ。



「世那ぁ……俺は世那の自由な所好きだけどさ…いつか刺されんぜ、その生き方は……」


「甲斐君の言う通りだよ、もう高3になるんだからもう少し落ち着いた行動しないと」


「あーあー!うるせぇなぁ、お前ら…説教すんなら俺の視界から消えろ!目障りだっつーの」



私らの説得も虚しく、完全にへそを曲げてしまったようだ。

ふい、と横に逸らされた顔にどうしようもない虚しさを覚える。


(そんな生き方じゃいつか一人になっちゃうよ)


勿論、世那の事だからそんなの気にしないだろうし、こんなんでも世那に好意を抱いてる人間はわりと多いと思う。

それでも、肝心な時に助けてくれる友達がいなかったら世那は悲しむと思うんだ。


甲斐君は困ったように笑い世那を見つめている。


甲斐君も甲斐君でよくこんな子供っぽい奴に憧れるなーと思う。
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