気まぐれ王子と召使い

「……だから言ったのに、俺以外要らないって」


「せな、せな……っ」



「俺もさ、お前以外要らないよ。誰一人として要らない」



「クラスの奴らも他の奴らもみーーーんな消えて、俺達だけの世界があったら、お前も幸せなのになあ」



とろんとした瞳で私を見つめる。

額をコツン、と合わせて、優しく私の輪郭を包み込んだ。



「なぁ、夕香里……俺以外のやつなんて考えるなよ」


「……う、ん……」


「お前が知りたいこと、俺が全部教えてやるから。だから、他の奴と話したりなんてしなくて良いんだよ」


「うん、せな……」



私を助けてくれたのはいつも世那だけだ。

世那の言うことを聞いていれば、私は寂しくならない。
辛い思いをしなくて済むんだ。



「せなが居てくれれば、それで良いよ……」



私の言葉に、世那は物欲しげに瞳を揺らし、私の肩に顔を埋めた。



「あぁ……俺の、夕香里だ、」


「うん、うん……」


「ずっとずーっと、お前は俺のモノだ。俺が大事に、お前を"育ててやる"」





「だから、これからは、お前の全部を俺にちょうだい」



優しく、それでいて蕩けるぐらい甘い声で世那は私に囁いた。


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