気まぐれ王子と召使い
「どれだけ、かな……一番好き…だよ?」
「…はは、そんなの当たり前だろ?」
「じゃあ、俺のこと、"愛してる?"」
愛って、どういう意味の愛だろう。
親愛?兄弟愛?家族愛?どれの事を言ってるのか分からない。
でも、世那は私の言葉を求めるようにジッと私を見つめている。
「うん……"愛してるよ"」
こんなにも一緒に居て、世那が居ないと生きていけない私が、世那を愛していないわけない。
だから、"愛してる"って応えた。
世那は美しい瞳を揺らし、視線を下に逸らした。
そして再び私に向き直ると、どろりとした熱の孕んだ瞳で私を捉え、縋るように私の頬に手を添えた。
「本当?本当に、俺を愛してくれる?」
「うん、本当だよ、世那」
「なら、ならならなら!!俺が、お前を求めても、拒絶しない?」
「夕香里はっ、俺をずっと永遠に愛してくれるの?」
うん。って、言いたかった。
でも、世那の虚ろで、それでいて子供のような瞳に、ここで"うん"と一言頷いたら…私の全てが世那のモノになるような気がした。
だから、何も言わなかった。
何も言わないで曖昧に笑う私に、世那は傷付いた顔をした。
「……分かってる、ゆっくりお前を、」
そう言って世那は私を強く抱き締めた。