気まぐれ王子と召使い
「お前のそういう"性善説を信じてそうな性格"本当にイライラすんだよ。いっそ俺がお前の為に西宮を辞めさせてやろうか?生徒に手を出した淫行教師ってさ」
「それは、困るよ…」
「なんで?やっぱり付き合ってんの?」
「…俺のことを好きでいてくれてる人だから、傷ついて欲しくないよ……」
あまりにも純粋すぎる言葉に私まで罪悪感が芽生えてくる。
でも、琥珀君の気持ちちょっと分かる気がする。
どんなに嫌な所があっても、自分の事を頼ったりしてくれる人が居たらその人の事を嫌いにはなれないもんね。
理解を寄せている私とは別に、世那は心底意味が分からなさそうに「はぁ…?」と口角を引き攣らせている。
「意味わかんねー…やっぱお前って変なの」
「変かな……でも、ありがとう、気にかけてくれて。世那はちょっと不器用なだけで、本当は優しいから俺のことを心配してくれてるんだよね…ごめんね、俺は大丈夫だから、世那は気にしなくて良いよ」
思わず世那と二人でポカンとしてしまう。
(なんてポジティブな思考回路なんだ)
元はただの嫌がらせのような理由で突っかかりにいっただけで、全く心配なんてしてないと思う。
現に世那も未知の物を見るような目で琥珀君を見ている。
「いや、お前、何言ってんの……?」
「俺はちゃんと知ってるよ、世那は本当は凄い心優しい人なんだって……だから、わざわざ俺の教室にまで来て心配してくれたんだもん」
「なに気持ち悪いこと言ってんだよお前…そんな訳ないだろ?」