気まぐれ王子と召使い
「きゃぁああ!!」
「先生!誰か先生呼んできて!!」
クラスの女の子達が急いで先生を呼びに教室から飛び出すと、しばらくしてから怒り心頭といった様子の北川先生が仲裁に入ってくれた。
「早崎に世那!!お前らなにをしとるんだ!!」
そう怒号を二人に浴びせると、勢いよく二人を引き剥がした。
早崎と呼ばれた男子生徒はバツが悪そうに北川先生を見つめており、世那はそんな彼を睨み付けている。
「早崎!!4組のお前がなぜここにいるんだ!?」
「……っ、こいつが、先輩を……」
「チッ…いってーなぁ……先輩先輩うるせーんだよ、蛆虫………おい、無事かよ、下僕」
「……へ?あ、はい……」
いきなり世那の視線がこちらに変わったので、ゆっくりと立ち上がりよろけながら世那の方に近付く。
世那は珍しく眉を下げて心配そうに私を見ている。
「山吹も怪我をしたのか?」
「いや……怪我はしてないですけど……」
「……すみません、熱くなって俺が怪我をさせました」
そう言って早崎は申し訳なさそうに私に視線を寄越した。
怪我は本当にしてないが、被害を被ったのは事実なので「まぁ、そうです」と北川先生に伝えた。