愛を知らない御曹司は専属メイドにご執心
巴さんがタルトを食べ終えたので食器を下げて厨房へと戻って行くと、高間さんが心配そうな顔で声を掛けてくれた。
「来栖さん、大丈夫だった?」
「え?」
「巴様に何か言われたりしなかった? 戻りが遅いから心配したよ」
どうやらお菓子を食べる時間がいつもより掛かっていたらしく、私が怒れているのかと思っていたようだった。
「すみません。少し巴様とのお話が長引いてしまって」
遅くなった理由を素直に話すと、高間さんを始め近くで作業をしていた料理人の梶谷さんと関根さんが目を丸くして驚いていた。
「あの、何か?」
「あ、いや、巴様と会話をしていたって言うから驚いちゃって……」
「え? そんなに驚くことなんですか?」
「それはそうだよ。普段俺たちや使用人と会話なんてしないし、如月さんですら、会話が弾むことなんて無いんだから」
「そう、なんですか」
まあ言われてみれば、普段の高圧的な巴さんと会話をするなんて難易度が高そうだけど……お菓子を食べているときの彼はどこか表情が和らいでいたから、好きな物を前にした彼となら、会話が出来なくはないのだと思う。
「巴様は食べることが好きみたいですから、そういう話題を出せば、比較的普通に話せると思いますよ」
「いやぁ、本当に凄いよ。流石は巴様専属メイドだ。今回は長続きしてくれそうで、安心したよ」
「あははは。私、根性はある方なので、少しのことくらいじゃへこたれませんから、任せてください!」
「それは凄く頼もしいよ。まあ、何かあれば俺たちのことも頼ってね」
「ありがとうございます!」
周りの人たちは優しいし、案外巴さんとも距離を縮められそうだし、初めはどうなることかと思ったけれど、思いの外良いスタートを切れた私は専属メイドとして頑張ろうと思えた。
「来栖さん、大丈夫だった?」
「え?」
「巴様に何か言われたりしなかった? 戻りが遅いから心配したよ」
どうやらお菓子を食べる時間がいつもより掛かっていたらしく、私が怒れているのかと思っていたようだった。
「すみません。少し巴様とのお話が長引いてしまって」
遅くなった理由を素直に話すと、高間さんを始め近くで作業をしていた料理人の梶谷さんと関根さんが目を丸くして驚いていた。
「あの、何か?」
「あ、いや、巴様と会話をしていたって言うから驚いちゃって……」
「え? そんなに驚くことなんですか?」
「それはそうだよ。普段俺たちや使用人と会話なんてしないし、如月さんですら、会話が弾むことなんて無いんだから」
「そう、なんですか」
まあ言われてみれば、普段の高圧的な巴さんと会話をするなんて難易度が高そうだけど……お菓子を食べているときの彼はどこか表情が和らいでいたから、好きな物を前にした彼となら、会話が出来なくはないのだと思う。
「巴様は食べることが好きみたいですから、そういう話題を出せば、比較的普通に話せると思いますよ」
「いやぁ、本当に凄いよ。流石は巴様専属メイドだ。今回は長続きしてくれそうで、安心したよ」
「あははは。私、根性はある方なので、少しのことくらいじゃへこたれませんから、任せてください!」
「それは凄く頼もしいよ。まあ、何かあれば俺たちのことも頼ってね」
「ありがとうございます!」
周りの人たちは優しいし、案外巴さんとも距離を縮められそうだし、初めはどうなることかと思ったけれど、思いの外良いスタートを切れた私は専属メイドとして頑張ろうと思えた。