愛を知らない御曹司は専属メイドにご執心
素直になれない御曹司様
ある日、庭で洗濯物を干していると、エプロンのポケットに入れてある呼び出しベルが震え出す。
「あ、巴様からの呼び出しだ。すみません門真さん、巴様から呼び出しがあったので行ってきます」
「あらそうなの? 分かったわ。侑那ちゃんも本当に大変ねぇ」
「あははは、まあ、巴様は気まぐれで呼び出すことも多いのでそこはちょっと困るかも。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
門真さんは六十代半ばの女の人で、気さくで話しやすい。
旦那さんとは早くに離婚し、一人で娘さんを育て、その娘さんも成人して今では地方で暮らしていることから、一人で暮らすよりも住み込みの仕事のほうが楽しいからと、もう十年近く上澤家で働いているという。
メイドの中で一番歴が長いのはメイド長を務めている羽川さんで、運転手をしている旦那さん共々もう二十年近く上澤家に仕えているとか。
他の方も数年は働いているようで、長続きしないのは巴さん専属メイドとして雇われた人だけだったらしい。
だからこそ、巴さんと話をしたり、言い返したり出来る私のような存在は貴重みたいで期待されていた。
ただ、ここ最近、何故か呼び出し頻度が増えていて、しかも、用件も大したことはなくて、その間家事を中断させなければいけないので共に作業をしているメイドさんには申し訳なくなるものの、巴さんからの呼び出しは何よりも最優先なので、私は急いで彼の部屋へ向かっていく。
「あ、巴様からの呼び出しだ。すみません門真さん、巴様から呼び出しがあったので行ってきます」
「あらそうなの? 分かったわ。侑那ちゃんも本当に大変ねぇ」
「あははは、まあ、巴様は気まぐれで呼び出すことも多いのでそこはちょっと困るかも。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
門真さんは六十代半ばの女の人で、気さくで話しやすい。
旦那さんとは早くに離婚し、一人で娘さんを育て、その娘さんも成人して今では地方で暮らしていることから、一人で暮らすよりも住み込みの仕事のほうが楽しいからと、もう十年近く上澤家で働いているという。
メイドの中で一番歴が長いのはメイド長を務めている羽川さんで、運転手をしている旦那さん共々もう二十年近く上澤家に仕えているとか。
他の方も数年は働いているようで、長続きしないのは巴さん専属メイドとして雇われた人だけだったらしい。
だからこそ、巴さんと話をしたり、言い返したり出来る私のような存在は貴重みたいで期待されていた。
ただ、ここ最近、何故か呼び出し頻度が増えていて、しかも、用件も大したことはなくて、その間家事を中断させなければいけないので共に作業をしているメイドさんには申し訳なくなるものの、巴さんからの呼び出しは何よりも最優先なので、私は急いで彼の部屋へ向かっていく。