愛を知らない御曹司は専属メイドにご執心
「巴様、そのケーキは口に合わなかったのかな? ごめんね、来栖さん。何か言われたりしなかった?」
厨房に戻ると、残ったケーキを目にした高間さんは、巴さんの口に合わなかったのかを聞いてくると、私に謝ってきた。
「そんな! 高間さんのせいじゃありません! 私が……いけなかったんです……」
「何かあったの?」
「実は――」
高間さんには一つも非が無いことを告げ、寧ろ私が悪かったと話すと、彼は心配そうに「何かあったのか」と聞いてくれたので、私はさっきあったことを一から説明した。
「そっか、そんなことが」
「……私の断り方がいけなかったんでしょうか?」
「いや、来栖さんのせいじゃないよ。何ていうかさ、巴様は上澤家の跡取りだから、そういう考えになるのも仕方ないと思うんだ」
私の話を聞いた高間さんは、私が悪い訳では無くて、巴さんと私たち一般人の考え方が違うから分かってもらえなかったことは仕方が無いという話をしてくれた。
「巴様は巴様なりに来栖さんの力になろうとした結果、そういう提案に辿り着いたんだと思うけど、まあ、それは違うよね」
「そうなんですよ。心配してくださるのは嬉しいんですけど……お金に物を言わせるようなやり方は……嫌です」
「その考えを巴様が理解することは難しいかもしれないね……俺たちとは住む世界が違うから」
「ですよね……。すみません、お話聞いてもらっちゃって」
「良いって。俺さ、来栖さんは妹みたいな存在に思ってるから、何か困ったこととかあれば遠慮なく相談して欲しいと思ってるんだ」
「高間さん……ありがとうございます! 私も、お兄ちゃんがいたらこんな風に頼れるのかなって思ってたので、嬉しいです!」
「そっか。そんな風に思ってもらえてたのなら俺も嬉しいよ。さてと、仕事に戻ろっか」
「はい!」
「そうだ、折角の機会だから、二人の時だけでも、敬語使うの止めない?」
「え?」
「俺としてはもっと気楽に話して欲しいから、気を使わないでもらいたいんだ」
「でも……」
「その代わり俺は来栖さんのこと、名前で呼ばせてもらいたいんだけど、駄目かな?」
「いえ、全然! 好きに呼んでもらって構わないので! それじゃあ私も、敬語は無しにする!」
「うん。それじゃあそういうことで、侑那ちゃん。また後でね」
「うん」
巴さんのことで色々とモヤモヤしていたけれど、その分高間さんとの距離が縮み、相談出来る相手が増えたことは純粋に嬉しかった。
ただ、まさかこれが原因で事態が悪化することになるなんて思いもしなかった。
厨房に戻ると、残ったケーキを目にした高間さんは、巴さんの口に合わなかったのかを聞いてくると、私に謝ってきた。
「そんな! 高間さんのせいじゃありません! 私が……いけなかったんです……」
「何かあったの?」
「実は――」
高間さんには一つも非が無いことを告げ、寧ろ私が悪かったと話すと、彼は心配そうに「何かあったのか」と聞いてくれたので、私はさっきあったことを一から説明した。
「そっか、そんなことが」
「……私の断り方がいけなかったんでしょうか?」
「いや、来栖さんのせいじゃないよ。何ていうかさ、巴様は上澤家の跡取りだから、そういう考えになるのも仕方ないと思うんだ」
私の話を聞いた高間さんは、私が悪い訳では無くて、巴さんと私たち一般人の考え方が違うから分かってもらえなかったことは仕方が無いという話をしてくれた。
「巴様は巴様なりに来栖さんの力になろうとした結果、そういう提案に辿り着いたんだと思うけど、まあ、それは違うよね」
「そうなんですよ。心配してくださるのは嬉しいんですけど……お金に物を言わせるようなやり方は……嫌です」
「その考えを巴様が理解することは難しいかもしれないね……俺たちとは住む世界が違うから」
「ですよね……。すみません、お話聞いてもらっちゃって」
「良いって。俺さ、来栖さんは妹みたいな存在に思ってるから、何か困ったこととかあれば遠慮なく相談して欲しいと思ってるんだ」
「高間さん……ありがとうございます! 私も、お兄ちゃんがいたらこんな風に頼れるのかなって思ってたので、嬉しいです!」
「そっか。そんな風に思ってもらえてたのなら俺も嬉しいよ。さてと、仕事に戻ろっか」
「はい!」
「そうだ、折角の機会だから、二人の時だけでも、敬語使うの止めない?」
「え?」
「俺としてはもっと気楽に話して欲しいから、気を使わないでもらいたいんだ」
「でも……」
「その代わり俺は来栖さんのこと、名前で呼ばせてもらいたいんだけど、駄目かな?」
「いえ、全然! 好きに呼んでもらって構わないので! それじゃあ私も、敬語は無しにする!」
「うん。それじゃあそういうことで、侑那ちゃん。また後でね」
「うん」
巴さんのことで色々とモヤモヤしていたけれど、その分高間さんとの距離が縮み、相談出来る相手が増えたことは純粋に嬉しかった。
ただ、まさかこれが原因で事態が悪化することになるなんて思いもしなかった。