愛を知らない御曹司は専属メイドにご執心
 ようやく完成した新作ケーキの発売日は一週間後。

 私はSNSで少しずつ宣伝を始めて、どんな名前のどのような見た目かは伏せつつも、新作のケーキの存在をアピールした。

 すると、初めは否定的な意見も多かったけれど、応援してくれるようなコメントも徐々に増えていく。

 そして、発売日当日の朝、予約投稿していた新作ケーキの画像付き投稿を見た人々の反応はどんなものだろう? 興味を持ってもらえると嬉しいなと思いながら、お店の準備を進めていく。

 そんな中、エプロンのポケットに入れていたスマートフォンの通知が鳴り響く。

 しかも、次々と。

 投稿を見て興味を持って貰えた、手応えあったんだと嬉しくなりながら準備の手を止めてスマートフォンを見てみると、

【これって盗作じゃないんですか?】
【大手の限定ケーキと同じなんだけど?】
【後出しで同じケーキ出すとか最悪、有り得ないんだけど】

 というメッセージや返信が相次いで届いてきた。

 何が何だか分からず、震える手で一件のメッセージを開くとそこにはURLが添付されていて、それを開くと、

「何、これ……」

 Roseで、【ルミエール】とまったく同じ構成のケーキが販売開始されていた。

 それは、見た目や名前こそ違えど、レシピをほぼ盗まれたとしか思えないほど似ていて、状況的にうちのお店がRoseの真似をして出したとしか思えず、私はただ、スマートフォンを見つめることしか出来なかった。
< 37 / 61 >

この作品をシェア

pagetop