令嬢は農地改革から始めるそうです 〜王都を飛び出したら人生が充実しすぎて困る〜
第14話 令嬢、国を耕す
「選挙ですって?」
その知らせが届いたのは、干し芋の試食会の最中だった。
王都からの通達。
『開拓連盟を統括する“連盟代表議席”を王都議会に設ける。各開拓村は、村内選出の候補を出し、選挙にて代表を決定すること』
村内は騒然。
「つまり、カレジア村からも“立候補”を出せと……?」
「当然アメリア様ですよね!?」
「待って! お嬢様本人がまだ口を開いてませんわ!!」
アメリア・ルヴァリエは、静かに考えていた。
――連盟という“横のつながり”が、今や“政治的代表”を求められる段階に来た。
――それはつまり、“個”の意見が“全体”の顔になるということ。
「この畑に……種を蒔くべきでしょうか」
翌朝、村の広場には特設の掲示板と演説台が設置されていた。
「立候補者、現在3名」
1:アメリア・ルヴァリエ(推薦80%)
2:ルーク(ネタ枠)
3:ゼクス(本人は無言。周囲が勝手に)
「なぜですの!?なぜ“無言の石彫家”と“棒人間”が政争に!?」
「むしろ村らしさ満点です、お嬢様!」
アメリアは、正式に立候補を表明。
その演説は、短く、しかし明快だった。
「わたくしは、“村”を代表するのではありません。“村の在り方”を語りに行きます。干し芋も鍬も、制度も教育も、わたくしたちが耕した日々の証です。それを、“土の中に埋めておく”つもりはありませんの」
\拍手/
ルーク「オレも演説するよ! 題名『棒人間、議事堂に立つ』!」
ゼクス(石に刻まれた:“…。”)
村民たちは、“真面目とギャグの混合選挙”に、かえって投票意欲をかき立てられた。
同時に、他村でも“候補者”が続々と発表されていた。
・バルガ村:ゴルドー(筋肉と演説)
・フィリオナ村:メリス(詩による政策発表)
・ノルデア村:クラウディア(現実主義・財政重視)
アメリアは彼らとの“公開討論会”に臨むことになる。
「鍬を持って討論台に立つ……時代ですわね」
王都特設演説会場。
そこに、全開拓村の代表候補者たちが集結していた。
【登壇者一覧】
・カレジア村:アメリア・ルヴァリエ(理念と干し芋)
・バルガ村:ゴルドー(筋肉と叫び)
・フィリオナ村:メリス(詩とポエム)
・ノルデア村:クラウディア(現実と数字)
・??村:ルーク(棒人間と情熱)
進行役は王都の選挙管理官、シルバン老。
「本日は“開拓連盟代表候補討論会”を執り行います。テーマ:開拓とは何か」
まず、クラウディア。
「開拓とは、国家経済の“効率的資源分散”の場。感情よりも統計、理念よりも結果」
「くっ……完璧に理論武装ですの……!」
続いてゴルドー。
「開拓とは筋肉だ!!大地を割り、敵をねじ伏せ、汗で畑を潤す!!」
「それ“地力”の誤解ですわーーー!!」
メリスは朗々と語り出す。
「開拓とは風の囁き、土の詩。耕す手に宿るは、創造の調べ……」
「“耕す”がもはや象徴過多で原型ないですの!!」
ルーク、堂々と出てくる。
「棒人間たちにも意思がある! 開拓は自由と線で描けるんだ!!」
(※後ろに棒人間の旗を掲げて登壇)
「わたくしの立場がどんどんシュールになっておりますわ!!」
アメリアは、全員の演説が終わったのを見届けて、ゆっくりと歩み出る。
「皆さま、ありがとうございます。どれも素晴らしい“耕し方”です。でも、わたくしはこう思います。“開拓とは、分かち合いを育てる過程”だと。土地も、水も、制度も、教育も、恋も。そのどれもを“耕す”とは、“共に在る”ということです。わたくしの村は、干し芋と鍬と笑いでここまで来ました。その笑いが、やがて“信頼”に、“自治”に、“希望”になると……信じております」
沈黙。
だが、その場の空気は確実に変わった。
アメリアの隣で、ルークが涙目で拍手を始めた。
「村長……やっぱり……芋の女神だ……」
「誰が芋神ですの!!!」
選挙結果発表当日。
王都の広場には各開拓村の代表者と、村民代表が集められ、
選挙管理官・シルバン老が厳かに封筒を開いた。
「開拓連盟代表議席……得票数第一位は……」
一拍。
「カレジア村、アメリア・ルヴァリエ殿!!」
\どおおおおおおおん!!!/
村から来ていたルーク、リリア、ガストン、ゼクス、ネルらが一斉に飛び跳ねる。
「村長ー!万歳ー!干し芋配るぞおおお!!」
「もう誰か黙らせてえええええええ!!」
アメリアは壇上に立ち、マイクの前に進んだ。
「ありがとうございます。これは、わたくし個人の成果ではなく、
村という“土壌”が育ててくれた結果です。そしてこれから、わたくしは“この国の未来”も耕しにまいります」
彼女の声は震えていなかった。
しかしその手の中には、小さな干し芋型のブローチが握られていた。
その夜、村に戻ると――
【祝! 代表就任記念! “自治って何ですの?”講義会】
主催:リリアとルークと筋肉(ガストン)
演題:ゼクス(石板書き下ろし)
「村の皆さまの期待が全方位から重いですわ!!!」
「でも、嬉しそうですね、お嬢様」
「……ええ、少しだけ、誇らしくもありますの」
クロードが横でそっと囁いた。
「君の“耕した言葉”が、国の中心にも根づいた」
「そして、“開拓”はこれからも、終わらせませんわ」
こうして、令嬢は国家に名を刻んだ。
その知らせが届いたのは、干し芋の試食会の最中だった。
王都からの通達。
『開拓連盟を統括する“連盟代表議席”を王都議会に設ける。各開拓村は、村内選出の候補を出し、選挙にて代表を決定すること』
村内は騒然。
「つまり、カレジア村からも“立候補”を出せと……?」
「当然アメリア様ですよね!?」
「待って! お嬢様本人がまだ口を開いてませんわ!!」
アメリア・ルヴァリエは、静かに考えていた。
――連盟という“横のつながり”が、今や“政治的代表”を求められる段階に来た。
――それはつまり、“個”の意見が“全体”の顔になるということ。
「この畑に……種を蒔くべきでしょうか」
翌朝、村の広場には特設の掲示板と演説台が設置されていた。
「立候補者、現在3名」
1:アメリア・ルヴァリエ(推薦80%)
2:ルーク(ネタ枠)
3:ゼクス(本人は無言。周囲が勝手に)
「なぜですの!?なぜ“無言の石彫家”と“棒人間”が政争に!?」
「むしろ村らしさ満点です、お嬢様!」
アメリアは、正式に立候補を表明。
その演説は、短く、しかし明快だった。
「わたくしは、“村”を代表するのではありません。“村の在り方”を語りに行きます。干し芋も鍬も、制度も教育も、わたくしたちが耕した日々の証です。それを、“土の中に埋めておく”つもりはありませんの」
\拍手/
ルーク「オレも演説するよ! 題名『棒人間、議事堂に立つ』!」
ゼクス(石に刻まれた:“…。”)
村民たちは、“真面目とギャグの混合選挙”に、かえって投票意欲をかき立てられた。
同時に、他村でも“候補者”が続々と発表されていた。
・バルガ村:ゴルドー(筋肉と演説)
・フィリオナ村:メリス(詩による政策発表)
・ノルデア村:クラウディア(現実主義・財政重視)
アメリアは彼らとの“公開討論会”に臨むことになる。
「鍬を持って討論台に立つ……時代ですわね」
王都特設演説会場。
そこに、全開拓村の代表候補者たちが集結していた。
【登壇者一覧】
・カレジア村:アメリア・ルヴァリエ(理念と干し芋)
・バルガ村:ゴルドー(筋肉と叫び)
・フィリオナ村:メリス(詩とポエム)
・ノルデア村:クラウディア(現実と数字)
・??村:ルーク(棒人間と情熱)
進行役は王都の選挙管理官、シルバン老。
「本日は“開拓連盟代表候補討論会”を執り行います。テーマ:開拓とは何か」
まず、クラウディア。
「開拓とは、国家経済の“効率的資源分散”の場。感情よりも統計、理念よりも結果」
「くっ……完璧に理論武装ですの……!」
続いてゴルドー。
「開拓とは筋肉だ!!大地を割り、敵をねじ伏せ、汗で畑を潤す!!」
「それ“地力”の誤解ですわーーー!!」
メリスは朗々と語り出す。
「開拓とは風の囁き、土の詩。耕す手に宿るは、創造の調べ……」
「“耕す”がもはや象徴過多で原型ないですの!!」
ルーク、堂々と出てくる。
「棒人間たちにも意思がある! 開拓は自由と線で描けるんだ!!」
(※後ろに棒人間の旗を掲げて登壇)
「わたくしの立場がどんどんシュールになっておりますわ!!」
アメリアは、全員の演説が終わったのを見届けて、ゆっくりと歩み出る。
「皆さま、ありがとうございます。どれも素晴らしい“耕し方”です。でも、わたくしはこう思います。“開拓とは、分かち合いを育てる過程”だと。土地も、水も、制度も、教育も、恋も。そのどれもを“耕す”とは、“共に在る”ということです。わたくしの村は、干し芋と鍬と笑いでここまで来ました。その笑いが、やがて“信頼”に、“自治”に、“希望”になると……信じております」
沈黙。
だが、その場の空気は確実に変わった。
アメリアの隣で、ルークが涙目で拍手を始めた。
「村長……やっぱり……芋の女神だ……」
「誰が芋神ですの!!!」
選挙結果発表当日。
王都の広場には各開拓村の代表者と、村民代表が集められ、
選挙管理官・シルバン老が厳かに封筒を開いた。
「開拓連盟代表議席……得票数第一位は……」
一拍。
「カレジア村、アメリア・ルヴァリエ殿!!」
\どおおおおおおおん!!!/
村から来ていたルーク、リリア、ガストン、ゼクス、ネルらが一斉に飛び跳ねる。
「村長ー!万歳ー!干し芋配るぞおおお!!」
「もう誰か黙らせてえええええええ!!」
アメリアは壇上に立ち、マイクの前に進んだ。
「ありがとうございます。これは、わたくし個人の成果ではなく、
村という“土壌”が育ててくれた結果です。そしてこれから、わたくしは“この国の未来”も耕しにまいります」
彼女の声は震えていなかった。
しかしその手の中には、小さな干し芋型のブローチが握られていた。
その夜、村に戻ると――
【祝! 代表就任記念! “自治って何ですの?”講義会】
主催:リリアとルークと筋肉(ガストン)
演題:ゼクス(石板書き下ろし)
「村の皆さまの期待が全方位から重いですわ!!!」
「でも、嬉しそうですね、お嬢様」
「……ええ、少しだけ、誇らしくもありますの」
クロードが横でそっと囁いた。
「君の“耕した言葉”が、国の中心にも根づいた」
「そして、“開拓”はこれからも、終わらせませんわ」
こうして、令嬢は国家に名を刻んだ。