運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「私たちがアメリカに行ったら、この家から出て行ってね。帰国したときにあんたが姉だって知られたら、たまったものじゃないわ。あんたは一生、彼と会うことは許さない。っていうより、彼が会いたくないわね。尻軽女なんて」

「え!? 彼に……なんて説明したの?」
 聞くのも恐ろしかったが、口が勝手に動いていた。琴音が優希くんと会っているなら、私を邪魔だと見なすのは当然だろう。だが、彼女が吹き込んだのは真実か、それとも――。

「聞いてどうするの? 二度と会えないのに」
 その冷ややかな視線に、背筋がゾッとした。今までも叩かれたことは何度もあった。だが今度は、命の危険さえあるかもしれない。

「……わかったから」
 刺激してはいけない――本能がそう告げていた。だから私はそれだけを答える。琴音は満足げに、いつもの笑みを浮かべただけだった。
「じゃあ、ね」
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