運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 紗江も結婚が決まったと言っていた。これ以上、頼り続けるのは避けたい。少しずつ仕事を探して、保育園も見つけていこうか――そんなことを考えていたのが、いけなかった。

「……あっ、ゆきちゃん!」

 その声に反応してハッと我に返ったときには、すでに遅かった。公園の前にある横断歩道。信号は青だったが、小さな足が、反対の歩道にいる友だちの姿を見つけて白線の向こうへ飛び出していく。
 笑顔で振り返った結菜の姿と、曲がり角から急に現れた右折車のライトが、重なるように視界に飛び込んできた。

「結菜!!」
 ほとんど反射のように駆け出し、私は結菜の体を抱きかかえるようにして横断歩道へ飛び出した。
 次の瞬間――鈍く重たい音がして、地面に叩きつけられるような衝撃が背中を襲った。
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