運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける

「ゆうくん、だいすき。さおりちゃんもだよ」
 にっこりと無邪気に言う結菜に、私はただ曖昧に微笑むことしかできなかった。

 結菜たちが帰り、退院の準備をしていたときだった。ドアがノックされ、看護師さんだと思って返事をすると、現れたのはスーツ姿の優希くんだった。仕事帰りなのだろう。スリーピースを完璧に着こなし、髪もきちんと固められている。いかにも「できる大人の男性」といった雰囲気だ。

「あっ……」
 結菜の面倒をみてもらっているお礼を伝えようとしたとき、不意に彼のスマホが鳴った。画面に視線を落とした後、「悪い、出る」それだけを言い、彼は通話ボタンを押す。
< 185 / 328 >

この作品をシェア

pagetop