運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 仕事の方向性が見えたことに安堵したのはもちろんだが、何より少しだけ彼女にこの仕事を手伝ってもらうことで、晴香がここにいる理由ができたことがうれしかった。

 完璧で、冷徹で、いつでも表情を変えない――それが朝倉の御曹司としての俺の呼び名だった。だが、晴香の前でだけは、いつもひとりの男でいられる。
 食事もただエネルギーを得るための手段だった。今はその時間が楽しく、結菜と遊ぶことでリラックスでき、仕事にも今まで以上に集中できている。晴香がそばにいてくれるからだ。彼女は昔のまま、優しくて思いやりのある女性だ。
 再会してから、ますます「晴香しかいない」と思うようになっている。俺のことを頼ってほしい。俺はどんな晴香でも守り、ともに生きていきたい。

 書斎を出ていく晴香に、そう心の中で語りかけた。
 それから数十分後、千田がノックもなく俺の部屋に入ってきた。
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