運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「社長、いきなり呼びつけて何事ですか?」
 ここのところ仕事はきちんとしているが、万が一晴香に何か起きてはならないと思い、俺は在宅で仕事をしていた。社内のことは千田に任せているというのに、急な呼び出しに多少の不満を抱いているのだろう。

「すまない」
 肩をすくめて謝罪すると、千田は小さく息を吐いた。
「それで、急になんですか? まさか恋の相談でしたら、遠慮しますが」
 皮肉めいたその物言いにも、俺は苦笑しつつ本題へと話を移す。

「ハワイの件だが、コート・ジュポンに変更も考えている」
 そう口にすると、千田は思案するような表情を浮かべた。

「コート・ジュポンですか……。それはマイケル氏の条件を蹴る、ということですよね?」
 俺の意図を確認するように、少しゆっくりとした口調で問いかけてきた千田に、俺は「ああ」とだけ返す。その間にも、彼はタブレットを操作し、情報を調べているようだった。
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