運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 千田が呟くように言った言葉を、晴香が拾い、さらに話を続ける。

「それは違います。社内で不満を口にしたり、成果を出せなかったりした者はすぐ解雇し、お金で優秀な人材を確保する。しかし、そんな扱いでは彼らもすぐ辞めていく。そんな悪循環が続きワカバとの関係も悪化しました」
 晴香の言葉に、千田は顔をわずかにゆがめながら問いかけた。

「それならばそう表に出るのでは?」
 確かに俺はずっとアメリカにいたが、ミッドセストのそんな噂を聞いたことはない。一体誰の情報で、どうして晴香がそんなことを知っているのか……。その疑問を理解したのか、晴香は言葉を選ぶように口を開く。

「マイケル氏は権力があります」
 そこで少し曇った彼女の表情に、思わず彼と何かあったのではないかと邪推してしまう自分が嫌になる。これほどまでに彼女を気にかけてしまっているなんて……。
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