運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 もちろん意味がわかるはずもないが、結菜は結菜なりに考えたのだろう。「わかった!」と明るく笑った。その笑顔にふたりして思わず顔を見合わせた、そのときだった。

「帰ったか」
 凛と張りのある声が、頭上から降ってきた。見上げると、大階段の上にガウンをまとった初老の男性が立っていた。ゆるやかに階段を下りてくるその姿だけで、圧倒的な威厳が空気を支配していく。彼こそが――優希くんの祖父であり、朝倉グループの会長。
 もちろんテレビや雑誌で見たことはあったが、実物の放つ存在感はまるで別格で、背筋が自然と伸びるほどの貫禄を備えていた。

「なにやら勝手をしていると報告を受けたときは冗談かと思ったが……本当だったようだな」
 会長はそう言い放ち、鋭い視線を私に向けた。それは当然の反応だろう。
「はじめまして。佐々木晴香と申します」
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