運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「優希くん、ご無沙汰しております」
 澄んだ声でそう言ったのは、お嬢さんの方だった。とても聡明そうで、磨き抜かれた立ち居振る舞いには気品があり、スタイルも抜群。まさに〝良家の娘〟という印象を受ける。
 だが、そんな彼女にも、優希くんは「お久しぶりです」と短く応じただけだった。

「……あの、そちらの女性は?」
 隣に立つ私の存在を問うのは、当然のことだろう。なにしろ優希くんは、私の手を自分の腕に回させたまま、頑なに離そうとしない。その状態で紹介を受けているのだ。
 場にいる誰もが、この意味に気づかないはずがなかった。

「私の婚約者です」
 さらりと言ってのけた優希くんに、おじい様が「優希!」と声を上げた。だが優希くんは、顔色ひとつ変えずに微笑んでいる。
「会社の大切な行事です。このようなことは、お控えになった方がよろしいのでは?」
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