運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「え? どこかで見られちゃった?」
〝見られちゃった〟などと口にしながら、琴音の声はまったく潜められていない。むしろ、周囲に聞かせるかのように、はっきりとした口調だった。
「朝倉さんって、ASAKURAグループの次期後継者ですよね? そんな人と知り合いなんて、すごいです」
朝倉――。
その名前が耳に届いた瞬間、私は心の奥でわずかに息をのんだ。朝倉家といえば、私の家など比べものにならないほどの大企業を率いる名門一族であり、元財閥の流れを汲む、由緒ある家柄だ。その長男である朝倉優(ゆう)希(き)さんは私の三歳年上で、グループの中でも中心的な事業を担う不動産会社、『Asakura(アサクラ) Urban(アーバン) Development(デベロップメント)』の社長を務めている。
本来なら、私のような人間とは接点のないはずの人。けれど、私は彼を知っていた。
〝見られちゃった〟などと口にしながら、琴音の声はまったく潜められていない。むしろ、周囲に聞かせるかのように、はっきりとした口調だった。
「朝倉さんって、ASAKURAグループの次期後継者ですよね? そんな人と知り合いなんて、すごいです」
朝倉――。
その名前が耳に届いた瞬間、私は心の奥でわずかに息をのんだ。朝倉家といえば、私の家など比べものにならないほどの大企業を率いる名門一族であり、元財閥の流れを汲む、由緒ある家柄だ。その長男である朝倉優(ゆう)希(き)さんは私の三歳年上で、グループの中でも中心的な事業を担う不動産会社、『Asakura(アサクラ) Urban(アーバン) Development(デベロップメント)』の社長を務めている。
本来なら、私のような人間とは接点のないはずの人。けれど、私は彼を知っていた。