運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 カーテンの隙間から射し込む柔らかな朝の光が、頬をかすめていく。そのぬくもりにゆっくりと目を開けると、すぐそばに優希くんの穏やかな寝顔があった。規則正しい寝息と、わずかに乱れた前髪。こんなにも近くに彼を感じながら目を覚ますなんて、夢のようで、胸の奥がじんわりと熱くなる。ほんの少し動けば触れてしまう距離に彼がいる――その現実が、たまらなく幸せだった。

 ほどなくして彼も目を覚まし、私たちは並んでダイニングのテーブルについた。大きな窓からは東京の街並みが一望でき、朝の光がテーブルクロスに反射してきらめいている。

 白い陶器の皿に盛られたオムレツやサラダ、温かいパンの香ばしい匂い。カップから立ちのぼるコーヒーの湯気に包まれながら、朝食をとるなんて、少し前の自分は想像もしていなかった。

「連絡するから」
 クロワッサンをちぎりながら、不意に優希くんがそう呟いた。
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