運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 それから数日、私はできるだけ琴音を避けて過ごした。家で顔を合わせればまた何をされるかわからない。だから仕事に没頭し、残業を引き受けては夜遅くに帰るようにしていた。そうすれば、琴音とも麻子さんとも顔を合わせずにすむ。
 
 その一方で、心のどこかには優希くんからの連絡を待つ気持ちがあった。もしかしたら――そんな淡い期待を抱えながら、私は毎日をやり過ごしていた。
 
 その週の週末、登録していた番号からメッセージが届いた。
「今週末はどう?」
 会いたい――その気持ちが抑えきれなくて、私は「大丈夫」と返信した。
 
それから三週間、週末のたびに彼と会った。仕事を必死に終わらせ、夜になると彼と食事をしたり、他愛もない話をしたりと過ごした。母を亡くして以来、こんなに満ち足りた時間を過ごしたのは初めてだった。幸せに包まれるたびに、いつしか琴音や麻子さんの存在を意識の外に追いやることすらできていた。
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