運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 濡れた服を着替えたい気持ちはあったが、そんなことをしていると、また琴音が何を仕掛けてくるかわからない。そう思ったその瞬間、いきなり腕を乱暴に掴まれ、バッグを取り上げられた。バランスを崩した私は突き飛ばされ、ヒールのせいで足首をひねったのか、鋭い痛みが走る。

「いろいろ言ってもわからないようだから、仕方がないわね」
 琴音はクスッと笑い、床に座り込んでいる私を見下ろしながら、バッグの中身を上からばらばらとまき散らした。

「ちょっと!!」
 思わず声を上げたが、落ちた荷物の中から琴音はスマホを拾い上げる。しまった――完全に油断していた自分を呪う。足首は痛むが、すぐに立ち上がり、それを奪おうとしたとき、琴音が「ママ! みちる!」そう声を張り上げた。
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