運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
連絡先を聞こうと考えたこともあった。けれど、幼いころから叩き込まれてきた祖父の言葉が頭をよぎる。「結婚相手は家柄の整った女性でなければならない。結婚も家のためにあるものだ」――。結局、聞き出せないまま、彼女はある日突然姿を消した。
空虚な思いを抱えたまま大学を卒業し、社会人になった。それなりに女性と付き合ったこともある。肩書きも、容姿も、家柄も完璧な相手だった。だが、晴香といるときに感じたような温度は、どこにもなかった。
大人になればこういうものなのだろう。後継者としての責務とは、そういうことなのだと――そう思い込もうとしていた。
それでも、どうしても結婚に踏み切れずにいた俺に、父は言った。
「アメリカ支社へ行ってみてはどうだ」
空虚な思いを抱えたまま大学を卒業し、社会人になった。それなりに女性と付き合ったこともある。肩書きも、容姿も、家柄も完璧な相手だった。だが、晴香といるときに感じたような温度は、どこにもなかった。
大人になればこういうものなのだろう。後継者としての責務とは、そういうことなのだと――そう思い込もうとしていた。
それでも、どうしても結婚に踏み切れずにいた俺に、父は言った。
「アメリカ支社へ行ってみてはどうだ」